小説覚書

注意!

以下にはサイトに掲載した小説達に関する作者のコメントを載せています。

かなりネタバレになりますので一通り読まれた方のみご覧下さい。

また、小説書きは小説でのみ主張すべきという考え方もありますので、

作者の見解など蛇足だと思われる方はご覧にならないようお願い致します。

リンクはページ内の移動なので他の作品へのコメントも丸見えです。

 

『殺人鬼の宴』

『セーカー』

『内臓の海』

『ボーダー』

『ずれ』

『悪魔の土地』

『ゲバッ!』

『血塗られた老後』

『遭難』

『多重世界』

『破滅の夜』

『絶望の歌』

『百物語』に参加した怪談達

『目的のない凶器』

『殺戮の地平(希望への破滅)』

『自殺の時代』

『不安』

『螺旋世界』

『殺人鬼探偵』

『倦怠感』

『軋む部屋』

『青少年倫理道徳復興委員会』

『殺人鬼小説家』

『殺人鬼探偵II』

『黒い血脈』

『オンライン残虐小説家』

『地獄王』

『殺人鬼探偵III』

『自動霊』

『コールドドライブ』

『悪狼魑』

『闇の階段』

『陰を往く人』

『モラル』

『殺人鬼探偵IV』

『陰を往く人II』

『指喰いと腐れ風神』

『唯一絶対超絶究極大殺戮神』

『デビル・ボード』

『スイート・スーサイド・ナイト』

『殺人鬼探偵V』

『青髭未満』

『想師』

『想師II〜悪魔の闇鍋〜』

『原点』

『キューピッド』

『お父さん』

『想師III〜創世二人羽織〜』

『ブラディ・ハイウェイ〜愛の条件反射〜』

『血の天秤』

『ニートテロ』

『陰を往く人III〜怪物のアイデンティティー〜』

『骸骨騎士』

『死にたがる肉体』

『マイホーム』

『挑む者』

『百億年戦争』

『ファウル』

『実験地区13』

『陰を往く人IV〜流星雨〜』

『借時百万年』

『美しい人』

 

 

 

 

『殺人鬼の宴』

 原題は『殺人鬼』。初めて書けた一応まともな小説だった。それから何度も書き直し、視点をいじったり展開をいじったり。でもやはり話の流れが唐突で消化不良な気がする。

 

『セーカー』

 私の少年時代は、本当に夢を見るためだけに生きているのではないかと思っていた時期があった。この話で、浮かんでは消えていく夢の一部だけでも残せれば、と。この話に出てくる夢の大部分は本当に見たもの。これも三回ほど書き直したが、やはり流れがおかしい。そういえば何かの賞に三十枚程度のバージョンを出したような覚えがあるが、その頃の私は馬鹿だった。

 

『内臓の海』

 内臓で満ちたプールのイメージが浮かび、それを形にしたもの。日常の世界から完全に切り離したかったのだが、人物達の綽名が日常を語ってしまっている。また、不条理の筈なのに何処か現実を象徴しているっぽい。

 

『ボーダー』

 『セーカー』と合わせて私の少年時代の重要なテーマだった。書いた時、自分ではかなり良い出来だと思った。当時、日本ホラー小説大賞の短編部門で小林泰三氏の『玩具修理者』が賞を獲り、「これならひけを取るまい」と自信を持って(こらこら)ホラー小説大賞に送り出したのだが、全く音沙汰なし。投稿における最初の大きな挫折だった。今になって振り返ると、やはり話の流れが悪い。これが賞を獲ってたら仕事せずに済んだのになあとか思っていた。いやはやお恥ずかしい。

 自分の姿を客観的に見ることは難しい。

 

『ずれ』

 ホラー小説大賞に向け、「最も怖いことは何か」を考え、「自分を支えているものが崩れていくこと」であろうと結論を出した。その結果がこれ。場面はぎりぎりまで計算されたものでなく、自分のイメージに任せた部分も多いため、的確な恐怖まで持っていけなかったと思う。最後の砦として真田君を選択し、そして崩した。最後の「ブツン」は夢オチだったのかとも言われたが、自分にも分からない。

 賞に出す前に「恋愛の要素も入れなくちゃなあ」とふと思いつき、主人公が好きな同級生というのも出してみたが、呼び出された主人公が屋上に行くと、彼女は涙を流しながら刃物で自分の首を切断し、生首が柵を越えて転がり落ちていくという場面となってしまった。このバージョンはウィンドウズ環境に移行する際に移し損ねたが、こんな場面要らないと判断してそのままにしている。

 

『悪魔の土地』

 『ずれ』と同じ時期に書いたもの。クライマックスの絶望的などんでん返しを考え、そのために書いた。クライマックスまでが適当で、自分でも情けない。その年の日本ホラー小説大賞には『ずれ』の方を出した。

 

『ゲバッ!』

 自分では文学史上に残る空前絶後の作品だと思っているのだが。流れに反逆したいという私のテーマの一つをそのまま小説にしている。それぞれのエピソードはちょっと適当な感じがして嫌だ。

 

『血塗られた老後』

 高齢化社会について考えるとこんなことになった。古いバージョンのものを何かの賞に出したが全く音沙汰なし。賞の名も覚えていない。えらく陰鬱で硬質な印象があって、自分ではあまり気に入っていなかったのだが、サイトに載せて意外に評判が良いことに驚かされた。今振り返ると銃器のことなど勉強不足だし、もうちょっと書き込めたような気がする。

 

『遭難』

 古代の小さな集落と誇り高い酋長の話にするつもりだったのだが、難しくて現代になった。かなり強引な設定が恥ずかしい。自分でも主人公の心理の転換は気に入っている。

 

『多重世界』

 テレビゲームなどをずっとやっているとこんなことを思いつく。今でも疑っている。

 

『破滅の夜』

 以前から時々書いていたショートショートのシリーズを、ドンとまとめてみようと思ったもの。気に入っているものもあれば恥ずかしい出来のものもあり。小説すばる新人賞に出すというとんでもないことをしてしまった。受領しましたというハガキが来てちょっと感動した。勿論一次も通らなかったが。

 第一夜 並川徹という男 ……高校時代に書いた三行の小説を手直ししたもの。第一夜に相応しい。

 第二夜 ひろくん ……ひろくん大好き。

 第三夜 ゲロゲロ殺人事件 ……もっともっと短く出来るネタ。情けない。

 第四夜 親愛なる君へ ……私の恨み。

 第五夜 怒りの果て ……自分が爆発したらこうなりそうな気がする。

 第六夜 怪物 ……女性というものを信用してないよねと言われた。

 第七夜 立場 ……意識の座って何処にあるんでしょうな。

 第八夜 仮面 ……どうもうまくない。

 第九夜 マジシャン ……好き。最初はマイクロウェーブネタだったような。

 第十夜 百年 ……全てが無駄になるという私の恐怖を最も象徴しているのかも。

 第十一夜 愛は ……なんだか良く分からないが、なんだか良く分からない雰囲気を出してみました。

 第十二夜 恋人の願い ……これも女性不信と言われた一因か。

 第十三夜 首なし、自転車 ……書いてみたら怖くなかった。

 第十四夜 見合い ……駄洒落オチ。

 第十五夜 チクッ ……なんかオチてなくて気持ち悪い。

 第十六夜 親友 ……題名と内容のギャップを。

 第十七夜 脳味噌の距離 ……自分でも良く思いついたと思う。

 第十八夜 一億 ……そのまんまであんまり。

 第十九夜 宅急便 ……恨みが篭もってますな。

 第二十夜 病院で死にたくないということ ……逆の題名の本に触発されて。

 第二十一夜 脳露出男 ……そのまんま。

 第二十二夜 帰宅 ……人生って何だろう。何故に逆さ吊りですか。

 第二十三夜 眠い ……好き。いつまでも眠っていたい。

 第二十四夜 予防の極意 ……直球過ぎるような。

 第二十五夜 ある一生 ……好き。青少年なんたら法には引っ掛かりそうだが。

 第二十六夜 やめ ……あんまり。

 第二十七夜 ハイ ……文章に工夫すればそれなりに読めたのかも。

 第二十八夜 憧れ ……好き。

 第二十九夜 さらってもいいかい ……熱狂の果ての転落。

 第三十夜 一兆人の山田太郎 ……好きなんだが、予想よりは面白くなかった。

 第三十一夜 シャーペン ……濁ってますね。

 第三十二夜 落ちる ……『百年』と同じ。こちらも好き。

 第三十三夜 覚醒の呼び声 ……いつもの『持ち上げて落とす』タイプ。

 第三十四夜 屍の上に ……熱狂の裏の真実など知らない方がいい。

 第三十五夜 顔の海 ……なんか気になっていたのだが、なんだか駄目だった。

 第三十六夜 いませんか? ……いかにもでありがちな話。本当か?

 第三十七夜 窓 ……何故似たような話が連続するのか。でも配置換えは敢えてせず。

 第三十八夜 大パーティー ……ああ、楽しいなあ。

 第三十九夜 一瞬の世界 ……一行の小説というのを作ってみたかったのだが、そのまんまで失敗。

 第四十夜 初夏の夜 ……やはり怖くないので半端な印象。

 第四十一夜 ニコニコ殺人鬼 ……もっと続ける予定だったのだが、もう充分という気持ちがあった。

 第四十二夜 正義の名において ……小説ではないが、かなり本音だ。

 第四十三夜 微笑み ……『持ち上げて落とす』型。まずまず気に入っている。

 第四十四夜 山に登る ……ローテンションですな。

 第四十五夜 俺が許す ……世界中の皆に言ってみたいが、責任は取れない。

 第四十六夜 日記 ……大人しい人は怖い。

 第四十七夜 僕の死体 ……かなり気に入っている。荒涼とした世界に積み重なった自分の死体のイメージからかな。

 第四十八夜 焼 ……「タレ持ってこい」という台詞が大好きです。

 第四十九夜 知覚 ……「知覚とは何か」という問題に対し思いついたこと。

 第五十夜 可愛い猫 ……可愛いと食べたくなりますよね。

 第五十一夜 頑張れよ ……好き。しかし車に十七体も入るのだろうか。

 第五十二夜 焼肉屋にて ……『落として持ち上げて落とす』型。

 第五十三夜 リセット ……ゲームやってると思いつく。でも現実にこれに近いことをやった奴がいると知って敗北感を味わう。

 第五十四夜 ジャジャジャーン ……『期待させておいて意味不明』型。というかそんな型あるのか。

 第五十五夜 もつ鍋 ……寂しい人だな。良くはないのだがちょっと好き。

 第五十六夜 すまない ……自分がこうなりそうで怖かった。

 第五十七夜 寒い寒い ……よく分からない。落ちていない。でも「サムイサムイ」という台詞は好き。後に『想師』で使った。

 第五十八夜 人類滅亡 ……私ならやりかねない。

 第五十九夜 血みどろの部屋 ……あっけない。小説になっていないような気がする。

 第六十夜 生きる意味 ……これらも結局ストーリー或いはあるべき流れへの反逆なのだろうか。

 第六十一夜 闇の王 ……感覚のテーマ。

 第六十二夜 会議 ……いかにもで好きじゃない。なら書くなよ。

 第六十三夜 全ての自殺しようとする者達へ ……自分では『破滅の夜』の中で一、二を争う話だと思う。ドラマなどで自殺未遂者のあんな台詞を聞くたびに、こうしてやればいいと思っていた。今は少し違うかも知れない。

 第六十四夜 醤油 ……特に良い印象も悪い印象もない。ということは駄目か。

 第六十五夜 ヤドカリ ……ううむ。ちょっとありがちですな。

 第六十六夜 連鎖 ……ちょっとした遊び。この辺の数話は紙に書いていた。

 第六十七夜 心中の海 ……皆で繋がっているところはなんか好きだ。

 第六十八夜 見て見ぬふり ……好き。

 第六十九夜 狸 ……高速道路で動物に驚いて急ブレーキをかけて追突されたというニュースを読んで。

 第七十夜 右か左か ……なんか適当に作ったような感あり。

 第七十一夜 ざまあ見ろ ……全く、ざまあ見ろだ。でも私はここまで出来なかった。

 第七十二夜 誕生ケーキ ……大部分実話。

 第七十三夜 救いの手を…… ……自分の未来像かと思っていた。

 第七十四夜 沼 ……感覚の問題。どうにも愚痴っぽい。

 第七十五夜 不思議な微笑み ……こんなの書いてたら訴えられそうだな。

 第七十六夜 幸せのダンプカー ……自分では楽しかったのだが、読者は楽しかったのだろうか。

 第七十七夜 病院の死神 ……『制度としての死神』という短編を凝縮したらこんなに短くなってしまった。

 第七十八夜 二つの日常 ……好き。

 第七十九夜 ニヤニヤ ……オチのつけ方が今一つのような気もする。

 第八十夜 古い傷 ……自分がやってしまいそうで。

 第八十一夜 あっ神が ……本当に意味不明だが、何故か好きだ。

 第八十二夜 フェイント ……倦怠期を切り抜けるのは命がけなのですね。

 第八十三夜 奴が来る ……どうしようもなく駄作。ああ、情けない。

 第八十四夜 朝 ……第二十三夜『眠い』で充分なような気がする。その自覚があったのでおまけの場面がついた。

 第八十五夜 若き日の自殺計画 ……自分がこうなれば良いなあ。というかなったら困るなあ。

 第八十六夜 世界 ……SFマガジンの素人ショートショートに応募して落ちた。でも自分のテーマの本質に近いので好き。

 第八十七夜 アピャッピョー ……これまた意味不明な。

 第八十八夜 ある日 ……多分主人公の感覚は理解し辛かったと思う。後に『倦怠感』で駄目押しした。

 第八十九夜 殺人鬼の死 ……短編だったが平凡な出来だったので凝縮。でもやはり平凡。

 第九十夜 勉強部屋にて ……勉強ばかりしていて何になるのだろう。人生はいつ終わるか分からない。でも勉強するしかない。

 第九十一夜 特別だから ……今でも自分は特別だと思っている。

 第九十二夜 赤子 ……やはり『破滅の夜』内でトップクラスの出来と思うが、危険過ぎる話だ。

 第九十三夜 内臓がないぞう ……皮肉ってます。でもそれほど良い出来でもない。

 第九十四夜 疑惑 ……なんだかオチてないような気がする。短編にしても良いかと思っていたのだが。

 第九十五夜 断絶 ……第七十八夜『二つの日常』の二番煎じ。

 第九十六夜 夕飯はカレー ……ショートショートが更に短く。好き。

 第九十七夜 二人は一緒 ……また女性観がどうたらとか。

 第九十八夜 親子 ……短編だったものを凝縮。当時はかなり面白いと思っていたが、似たような話はそこらにあるかも。

 第九十九夜 憎しみの果てには愛が…… ……面白くなる筈だったのになあ。

 第百夜 無 ……締め括りに相応しいものを、と。あまり良い出来ではなかったが、「その感覚は遮断した。もう何も感じない」という言葉は好きだった。

 

『絶望の歌』

 第一番 あーくん ……一行小説というものに再びトライ。少しましになった。

 第二番 丼 ……最後は蛇足だ。情けない。

 第三番 社会というもの ……言いたいこと。

 第四番 人食い地蔵 ……『百物語』に出そうかと思ったがあんまり怖くなかったので。

 第五番 理想都市 ……究極の社会はこうなるのではないかと危惧している。

 第六番 多呂三郎と愉快な仲間達 ……なんとなくタイトルが気に入って。

 第七番 後継ぎ ……ううむ。崩れ具合を楽しんで下さい。

 第八番 よおっ ……このくらいならトップの言葉にする程度で良かったような。

 第九番 スクーター ……心理の変遷が好き。

 第十番 世界はいつから…… ……疑っていること。

 第十一番 壁 ……なんとなく思いついた場面。

 第十二番 トリック ……思っていることだが書き方がストレート過ぎた。

 第十三番 死の人 ……駄目駄目。

 第十四番 インターネット ……普通過ぎる。

 第十五番 善意の報酬 ……まあこんなことも。

 第十六番 愛のループ ……もうちょっとうまく書けなかったかなあ。

 第十七番 生まれくるもの ……書いてみたら面白くなかった。

 第十八番 首吊り王 ……最後の締めだけが弱い。

 第十九番 ペット禁止 ……普通。

 第二十番 グルメの舌 ……最後の一行のため。

 第二十一番 違和感 ……昔短編で書いたものを。この分量で充分なんだよな。

 第二十二番 生首の家 ……これも以前短編だった。

 第二十三番 藁の家 ……第二十二番とは全く関係ない。

 第二十四番 俺の時間を返せ ……ストレート過ぎることを自覚して余計なひねりを加えることになったのが情けない。

 第二十五番 鈴木君 ……好きだけど何なんだ、これ。

 第二十六番 避ける男 ……面白いと思ったのだが、書いてみたら、なあ……。

 第二十七番 パワフル医療 ……テンションを高めるには文章は短い方がいい。

 第二十八番 キャッチアンドリリース ……まあ、普通。

 第二十九番 千年一日 ……人生は恐ろしい。

 第三十番 愛してる ……これも表紙で充分だよなあ。

 第三十一番 笑い魔人 ……何なんだ。書く前は面白かったのに。

 第三十二番 祭り ……これも掌編だったのを更に短く。

 第三十三番 禁句 ……これも短編だった。昔の短編を救おう計画。

 第三十四番 世界の本質に関するある高名な哲学者と殺人鬼の討論 ……大好きです。

 第三十五番 苦 ……まあまあ好き。

 第三十六番 無力 ……第三十四番と同じくらい大好き。人間にはこの二つの選択肢があると思う。

 第三十七番 電極タッチ ……脳の電極刺激で場面が浮かぶというのをテレビで観たので。

 第三十八番 運命の女 ……私は自分が怖い。

 第三十九番 平穏 ……まあそこそこ。

 第四十番 ワイワイ家族 ……マザーグースのようなものを目指したが、もっと文章が短くないと。

 第四十一番 殺人鬼勝負 ……殺人鬼同士を闘わせたかったのと、最後は崩れ感。

 第四十二番 全てを認めるということ ……これも考えていること。

 第四十三番 読み合い ……書くまでは面白かったのに。

 第四十四番 世紀末大宴会 ……なんかの賞に出したものを救済。でも冗長過ぎる。

 第四十五番 妻爆発 ……考えていること。

 第四十六番 マンション ……普通。

 第四十七番 試練の果て ……昔の短編救済。

 第四十八番 ポックリさん ……好き。

 第四十九番 引き攣る笑顔 ……どうも書いてみたら面白くないな。

 第五十番 神の足 ……考えていること。大好き。

 第五十一番 デリカシー ……デリカシーのある人は好きです。ゾクゾクしていじめたくいえ何でもないです。

 第五十二番 善の医者vs悪の医者 ……好き。

 第五十三番 真夜中の電話 ……どうも弱い。

 第五十四番 弁当屋にて ……もう一息。

 第五十五番 霊障 ……人を攻撃する霊について思ったこと。『死霊殺し』へ続く。

 第五十六番 黒い小人 ……無神経の強さにもちょっと憧れる。後に『殺人鬼探偵II』に使う。

 第五十七番 守りの手 ……法則と、それを破る力。

 第五十八番 しない ……シュール。なかなか好き。

 第五十九番 目隠しマラソン ……主張が強過ぎて面白くない。

 第六十番 気紛れ魔人 ……面白いと思ったのに駄目でした。

 第六十一番 拍手 ……同じようなことを書いてるなあと書きながら思っていた。

 第六十二番 街頭募金 ……悪人の善を受けるべきか。

 第六十三番 ミンチ世界 ……かなり好き。

 第六十四番 遺書 ……好き。最後に首吊り死体を出すべきか迷ったが、やはり不要だったようだ。

 第六十五番 肉塊 ……しっぺ返し。でもやはり予想より駄目だった。

 第六十六番 いらっしゃいませ ……まあまあ。

 第六十七番 ファミリーレストランにて ……これも空気はまずまず。

 第六十八番 翳りを慕いて ……私のことだ。最後の表現が悪い。どうしようか。

 第六十九番 朝の駅 ……ホームで猫を散歩させているのを見て思いついた。普通。

 第七十番 不毛 ……新しさなし。

 第七十一番 冷たい部屋 ……最初のイメージに少し足りず。

 第七十二番 赤いスナップ ……やはりこの辺で疲弊を自覚している。

 第七十三番 犬 ……虐待について。この悪循環は良くあることだと思い。

 第七十四番 ホーム ……似たような内容。

 第七十五番 ペットボトルマジック ……シュールもの。

 第七十六番 ある聖人 ……失敗した。本来のテーマをうまく出せず。いやそもそもテーマが分裂していたのだと思う。

 第七十七番 崖の上と下 ……いつものこと。

 第七十八番 人形の家 ……シュール。まずまず。

 第七十九番 アンヴィバレンツ ……簡潔でなかなか好き。

 第八十番 魔術師 ……世界とは。

 第八十一番 これだったのだ ……なんかそんな場面が浮かんで。

 第八十二番 ルーレット医師 ……イメージに少し届かず。

 第八十三番 千人強盗 ……これもやはり少し足りず。

 第八十四番 向上 ……上達はするけど人生は減っていくんだよなあ。

 第八十五番 帝王 ……所詮こんなもの。

 第八十六番 マゾヒスティック・イメージ ……時折自分の顔に浮かんでいたイメージを。

 第八十七番 失われゆく時 ……昔時計を見ながら思っていたこと。

 第八十八番 蝉 ……何十年も地震で地下に閉じ込められていた兄弟のエピソードから。

 第八十九番 検閲 ……今後は進みそう。

 第九十番 自殺でGo ……題名先行。無理心中で家族を殺して自分だけ死ねない男。情けない。

 第九十一番 転落マニア ……好きな筈なのに、技量不足だった。

 第九十二番 剣を振る ……ネスタ・グラウドというカイストのこと。

 第九十三番 あなたは嬉しい時も怒っている時も愛の告白も鼻歌も全てそれで済ませてしまうのですね。もう別れましょう。 ……一行小説のその先、一文字小説を目指した。裏技的。

 第九十四番 デュラハン ……設定メモにこの名称を残していたのに中身を思い出さず、必死に考えた。

 第九十五番 天井の穴 ……ありがち+崩れ感。

 第九十六番 教祖の愛 ……考えていること。好き。でも書くのは苦労した。

 第九十七番 まとめますと ……好きだがもっと良い奇声が欲しかったなあ。

 第九十八番 脆い生き物 ……考えていること。と、その反撃。『破滅の夜』の『赤子』も意識していた。

 第九十九番 少年の君へ ……本気です。

 第百番 せめて今のうちに ……『陰を往く人』の中で使われた詩。出来るだけ早く出しておくべきと考えた。

 

『百物語』に参加した怪談達

 『チーン』……ファイル名がマイクロウェーブで、独りで悦に入っている。

 『霧の村』……自分では名作だと思う。でも子供の頃の場面はちょっと冗長か。

 『迷い』……女子高生の心理なんて苦手だ。

 『壁の手』……名作だと思っていたのだが、書いてみたらそれほどでもなかった。私の名作を返して下さい。

 『音』……名作だと思う。子供の頃、怖い映画を見ていると時々親に目をつぶってろと指示された経験から。

 『窓』……ううむ。ちょっとありきたりかなあ。

 『魔物』……雨月物語の、化け物退治に来た自信満々の術者が敗北する場面から。自分では良い出来だと思うが、「それで何なの?」と言われてがっくり来たことも。でも別の人には褒められた。

 『顔』……これって自己模倣という奴ですか。

 『死霊殺し』……この話が『絶望の歌』第五十五番『霊障』の続きということに気づいた人はいますか。ヒント少な過ぎですけど。もしかすると更に続くかも知れない。で、続きました。

 

『目的のない凶器』

 ライフワークにしているカイストのシリーズで、まだきちんと固まってないため一時的な掲載とした。集英社のロマン大賞というのに出してみたのだが、全くジャンルが違っていて驚愕した。もうちょっと下調べしろよ、俺。

 二百億才のキルマと、七千万才のエン・ジハルの、カイスト同士の戦い。読み返してみたら文章がまだ下手だったが、カイストシリーズの原型に相応しいと思っている。

 もう数年したら、なんとか公開出来るかも知れない。

 で、そうして書き直して掲載した訳なのだが、エン・ジハルの年齢は二千八百万才に、キルマの年齢も年表に従って二百十億才とした。やはり前半部の描写は無駄が多い。でもカイストへのイントロダクションとしてはこれでいいか。

 

『殺戮の地平(希望への破滅)』

 単行本化のために掲載終了となった。自分で自分の頭を割る場面と、腐った町・腐った世界における救世主と殺人鬼の対決というテーマから始まった。最初のバージョンは第一部だけで、どっかの賞に出して落ちたのでサイトに掲載し、皆の意見も参考にして書き直し、第一部で提示されていたアイデアを消化するための鏡のような存在として第二部を書いた。大事に取っていてソノラマの賞などに出そうかとも思っていたのだが、第一部だけだったとはいえ既に別の賞に出して落ちたものだし、恐怖の大王も近づいていたので悔いのないようにサイト掲載とした。荒削りだが自分のテーマの一つだと思っているので気に入っていた。

 その後、学研の編集さんにサイトの小説を読んでもらって、これを使おうということになった。よって、私の人生の百冊の中にもエントリーされることになった。

 で、2010年になり、『想師』の契約解除と一緒にこちらも学研さんとは切れることとなり、サイト再掲載に至った。改めて読み返すと主人公の中二ぶりと強引な思い込み展開が恥ずかしいが、第二部はキリキリと緊張感に満ちていて気に入っている。

 再掲載に際してタイトルを戻すべきかどうか悩んだが、そもそも『希望への破滅』という言葉自体が何か妙だしなあ。感覚的にはこれが良いのだが意味的にはちょっと変という。

 ああ、そうだ。当時、出版されたものを買って下さった皆様にはお礼申し上げます。サイト再掲載に至り申し訳ありません。

 っと、更に忘れてた。今回の再掲載に当たり、もういいかと思ってグリセリンの話を調べ直して修整したのだけれど、その広まっているグリセリンの逸話自体がどうやらガセだったということが判明したのだった。いやはや。

 

『自殺の時代』

 ゲームやってると思いつきますよね。それに乞食サイトのアイデアをプラス。

 最初は自信あったのだが、冷静になってみると、どうにも深みに欠ける話となってしまった。

 インターネット文芸新人賞1999というものに出して、落ちた。

 

『不安』

 『ボーダー』、『セーカー』と自分の闇を吐いてきたが、まだこんなものが残っていた。この年齢(どの年齢だ)になってまだこんなテーマの話が書けたことに満足している。まず読者に興味を持ってもらうため、化け物じみた主人公の姿を先に出しているが、そこから始まる独白の前半はかなり退屈なものかも知れない。でもどうしても捨てられなかった。とうとう自分への拷問に移った時、主人公が達成感と喜びを覚えたことに作者自身も驚愕させられる。それで本来の予定とは少しずれてしまったが、多分これで良かったのだろう。一般人の持つ「都合の悪いことから目を逸らす」という超絶的な能力には、今も思い知らされている。

 これは青少年の皆さんが読んで人生が狂ってしまってはまずいと思い、ひとまず十八禁としたが、それでも読んで感動した(?)と言って下さった方がいたのは嬉しかった。

 ホラー小説大賞に出し、無反応。自信作だったので怒り狂った。

 

『螺旋世界』

 ホカ弁でのエピソードなどから思いついた。短い話だが読んでいて退屈かも知れないと思う。

 

『殺人鬼探偵』

 当時、どうにも突き抜けられずに困っていた私は何か面白いアイデアはないかと頭を悩ませていたのだが、天神の街を歩いていて急に「殺人鬼+探偵」というアイデアを思いついて踊り狂った。というか踊ってはないです。

 最初のイメージではもっとダークな世界だったのだが、黒贄さんが動き出したらなんだか妙に明るく楽しい世界になってしまった。一ヶ月でほぼ書き上げるというこれまでで最高の執筆速度だったし凄いテンションだったと思う。書き始めるまでには充分に時間をかけてアイデアを練り、仮面の使用や奇声、凶器の選択、同じパターンの繰り返しなどを入れられた。第一話から第六話まで、同じ人物は出さないようにするつもりだったが、大曲刑事は台詞だけ出ている。またこの六話の中に、殺人鬼探偵という概念が持つ一通りの要素を入れておこうと思った。そのため、「赤の他人が死ぬのは何でもないというか平気で殺すが、愛する人が殺された場合はどうなのか」を描くことも必要だった。

 続編は勿論書くつもりだが、これと同じテンションで書けるのか自信がない。また、続編ではお決まりのパターンを崩すことになりそうだ。ただ、憎らしい敵を目一杯残虐に殺すという大事な要素は忘れたくない。

 あ、最初に講談社のメフィスト賞に投稿し、憎らしいコメントを頂いて蹴られ、次に太田出版に送って十ヵ月後に出版には値しない旨の返事が来た。その結果としてサイトに載っている。

 

『倦怠感』

 『破滅の夜』第八十八夜『ある日』の補足でもある。自己模倣と言われてドキッとした。

 頑張らねば。

 

『軋む部屋』

 日本ホラー小説大賞に嫌な短編を送って嫌がらせをしようと考えたもの。というか、「最初から最後まで同じ場所で、一つの場面で通す小説」という条件を設定し、それに基づき、自分の大事な砦である「自分の部屋」への侵略がテーマになった。

 一つの場面で五十枚など無理と思っていたが、意外に書けてしまった。これは描写が冗長になったことも関係あるかも知れない。後、少しずつ異変を起こすため、最初のうちは全く平凡で退屈な描写が続いている。これは賞に投稿するにはタブーだ。

 悪い出来とも思わないが、賞を取れるほど斬新なアイデアやテーマではなく、予想通り落ちた。ああ、でも『不安』の恨みは忘れないぞ。

 

『青少年倫理道徳復興委員会』

 最近の少年犯罪の凶悪化に対する私の見解をそのまま小説にした。テレビ番組をそのまま小説にしているという特殊な形態だ。テレビ番組であり同時に小説であることを考慮しながら構成を行った。ただ、この話のオチをどうつけるかというのが問題で、色々と悩んだ結果今の形に。書きながら、「きっとこのやり方でもうまく行かないのだろう」という感があり、そのため公開処刑を全面的に奨励する小説ではなくなっている。

 危な過ぎるということが自分でも分かっていたので何処にも投稿出来ず、正月記念に公開。

 

『殺人鬼小説家』

 東雅夫氏が関わっておられるBK1という本の通販サイトで、ある一群から本を購入した人に特典としてちょっとした短い文章がメールマガジンで贈られるという企画があり、『想師』もそこに入っていたので短いものを要請されました。あまのじゃくなのでまともな話は書きません。別のところで『想師』を購入した皆さんに申し訳なく、東氏に了解を貰った上で一年待ってサイト掲載としました。

 終わり方があまりきちんとしているのも不自然だと思ったため微妙なところで終わっているが、これはこれでちょっと気持ち悪かったりする。

 

『殺人鬼探偵II』

 最初から続編を書くことは決まっていたが色々と余計なスケジュールが入っていたので三年以上のブランクが開いてしまった。駄作にならないかどうか心配だったが、まあなんとかなったような気がする。ただし続編の宿命か、かなり弾けている。

 前作で一通りの要素は表現してしまっていたが、「探偵なら推理」という概念に対抗したのが第一話、西部劇のような血の騒ぐ対決をテーマにしたのが第二話、ゾンビ映画の閉塞感に黒贄をぶち込んだのが第三話、殺人鬼が殺し合うというテーマを大掛かりにしたのが第四話、最後は思いきり陰鬱なものにしたいと思って書いたのが第五話だ。特に第四話が難物で、百五十枚くらいに収める予定だったのだが書き始めてみるととんでもなかった。おそらくかなり評価の分かれるエピソードだと思う。今の自分に出来る限りのことをやったつもりだ。

 っと、バーニングマイケルの「ハゲじゃない。剃ってるんだ」という台詞は、蛭田達也氏のコミック『コータローまかりとおる』の天光寺の台詞が元ネタだったりします。この人は本当に剃っているのですが、バーニングマイケルはただのケロイドです。また、第六話のエピローグ、自分が殺される様子まで手紙に書き残しているというネタは、タイトルは忘れたが昔の外国産ゲームブックにありました。ドガバキグチャグチャとかで締め括られていて、「自分が殺されるところまで記述するとはなんと素晴らしい書き手だ!」とかいうコメントに大笑いし、いつか使いたいと思っていたものです。この手のネタは既にあちこちで使われてきたものと判断して今回使わせて頂きました。

 IIIは長編になる。IIを長編にするかも迷ったのだが、その時点では殺人鬼探偵で長編を書くことは難しいと判断してのことだ。Tの第六話で話題に上ったまま登場しなかったブラックソードが漸く現れる。「ヒュルヒュルル〜」という、彼の立てる音も頭の中に浮かんでいる。大筋のストーリーは出来ているが、最終的に何処までやるのかはまだ迷っている。定まった上で書き始めるのは二年くらい先になるのではないかと思っている。で、書いた。

 

『黒い血脈』

 生まれて間もなくすり替えられた子供達というテーマについて、本当の子と育ての子、どちらを選んでも支障があるなら合体させて一人にしてしまえばいいじゃないかと考えたのがこれ。

 問題の場面に行き着くためにそれぞれの人物の心理描写を丁寧に積み上げていったが、どうもそれがまずかったみたいで内容にしては長過ぎる話になってしまった。嫌がらせとして日本ホラー小説大賞短編部門に出して略歴に「審査員の皆さんに吐気を催して頂くために云々」と書いたら、選考に携わっておられた東雅夫氏があるサイトで「なお、誰とは申しませんが、応募原稿のプロフィール欄によけいなことを書き添えるのは、百害あって一利なしなので、やめたほうがよいと思います。」と書いておられた。今では良い思い出です。

 

『オンライン残虐小説家』

 痛い目に遭った出来事に、ふとこれをネタにしてはどうかと思い立ち、次第に本気になってきて実際に書いてしまった。

 嫌がらせをしてきた奴に物凄く嫌な思いを味わってもらい、しかもこれが今後ネットにおける嫌がらせに対する警告となり、更に良い作品が出来れば私も嬉しい、という一石三鳥の目的で、このテーマは私が書くのが最適であったと自負している。

 

『地獄王』

 椎名林檎の『闇に降る雨』のビデオクリップを観て、なんだか洋館で姫を守る騎士達が無力に惨殺されていく美しさを描きたいと思ってしまった。その前から『地獄王』という言葉が勝手に浮かんできて使い道がなく困っていたので、ここで敵役の名として使ってしまおう、と。

 最初は敵の数も多く回想なしにズルズルと殺されていき、読み返してみたら光るもののないダメダメなものだった。そこでver.2では敵は地獄王だけとし、それぞれの騎士が死ぬ瞬間に回想を入れ、最後に「○○の人生は飛散した」と書くとかっこいいかも知れないと思った。が、どうもあまり面白くならなかった。長過ぎるのが悪いのかもと思い、回想を騎士達の心理描写に少しだけ混ぜ込むことにした。でも駄目だった。行き詰まっていたが、ここは一つ余計な部分をばっさり省いてあっけない惨殺とルールの異様さを前面に出そうかと思い、「地獄王とは神のことです」というユアレの台詞から始まって縮めてみたが、今度は騎士達に感情移入する材料が不足して駄目だった。

 ということで、回想を最初に持っていけばそれぞれの騎士の背負うものを見せつつ、それを圧倒的力であっさり殺していく地獄王の描写のスピーディーさも表現出来ると思い、これがver.5.0です。

 書き直しを繰り返すともう作者は何が何やら分からなくなってくる。

 よって、この辺りが落としどころかと。

 

『殺人鬼探偵III』

 ブラックソードを出すつもりだったことと、護衛もの、そして魔界突入ものをということでこんなふうになりました。後、マッドサイエンティストを書きたかったのですがあまり良い(?)マッドサイエンティスト像が浮かばず、ならばとあんな恐ろしい人間を出してしまいました。ちなみに今回、幾つかショートショートに使ってきた要素を改めて取り入れたりしております。また、「あははは、全然面白くない」なんて、十年以上前に思いついたネタだった。

 もうかなり悪ノリが過ぎてるなあと自覚しながらも、ならそれを引っ込めてどう書き直すかとなると浮かびません。やはりシリーズものというのはどんどんエスカレートしていくしかないのかなあ。

 ノスフェラトゥ・セブンとの戦いを充実させて一冊分としても良かったのでしょうけれど、やはりブラックソードの圧倒的な強さを出したかったこともあり。

 ヒロインについては泣いてばかりだなあ、と。もう少し彼女のことを深めたかったけれどこの辺が限度みたいで。あ、折角メイドだったのにその辺もあまり生かせなかったなあ。後、あまりの尊厳無視の殺戮具合に、登場人物がたまに言う真面目な台詞が浮いてしまっているような気も。というか大曲の言動は凄過ぎる。大曲の新兵器を出してみたかったけど今回はそれほど意味がないので保留です。ポケットは増えたけど。この人段々機械部品が増えていって最後は三十センチくらいの箱になってしまいそうな予感もしたのですが、結婚もしたしそれはなくなりそうです。

 闘技場はなんかこれまで何度も書いてきたなあと急に気づいて不安になったり。『殺人鬼探偵II』の世界殺人鬼王決定戦もそうだし、『骸骨騎士』でも使ったし。まあ『骸骨騎士』は書き直すけど。

 最初のバージョンでは魔王を倒した後に床を突き破って正木が出て戦った(黒贄の一方的な攻撃)のですが、なんかメリハリがなくなりダレるので変更しました。懸念していたのは、あまりに正木が強烈過ぎて魔王の存在が霞んでいることと、正木をあっさり殺してはカタルシスが得られないことで。「はい、そうです」のやり取りを使って、それなりにオトすことは出来たかなあとは思っています。

 あ、最後の泣きオチも、別の長編で似たようなものを使ってるんだよなあ。でも今回はこれ以外考えられなかったので敢えて変更はしません。

 で、今回で崩れ過ぎたので、IVではもう少し引き締める予定。連作短編にします。ストックしていた要素をきちんと入れる予定。次回はちゃんと探偵っぽくしないとなあ。

 

『自動霊』

 元々は十年以上前になるかな、山奥の一軒家で夜を過ごす人達が妖魔に殺されていき、一人の少年だけが部屋を出ずに耐え、やがて室内の蛇口からドロドロのミンチが溢れ出し床を染めていくというアイデアがありました。それから、現実と異界の狭間を彷徨うが何も出来ない主人公の旅の連作短編という形式を考えていました。が、やがて、『霊障』『死霊殺し』の流れから、幽霊を殺し回っていく主人公の連作短編を書こうと思い至りました。しかし執筆スケジュールが詰まっていることと、冷静に考えるとわざわざ連作短編にしなければ表現出来ないようなテーマでもなく、ならばシンプルに短編で行こう、と。

 ただ、蛇口からミンチは『セーカー』でも同じようなことをやっており、今回のような運びになりました。でもなんか『想師II』の地獄寺とかぶるような。まあ、いいか。

 なんだか本番までの前置きが長いという感じがしています。また、残虐描写は細かいですが淡々としていてあまり怖さが感じられません。

 精進が足りませんでした。

 

『コールドドライブ』

 タイトルは誰かの『クールドライブ』という小説が直木賞だったか芥川賞だったかを獲った時、ならこちらは対抗してコールドドライブなんかはどうだろうと思ったのがきっかけだ。題名と中身のどちらが先だったのか、今ここで書こうとして忘れてしまっていることに気づいた。

 夜道に助けを求めてきた女が豹変していく不気味な感触が浮かび、それを表現するために形を与えていった。男の反応はまとも型と無感動型のうち、後者の方が効果的だと判断。というか私の好みだ。どうも私は冷酷なくらいに淡々と対応する人物というのに憧れている。

 こちゃこちゃ要素とイベントを入れれば五十枚はクリア出来ると考え、ホラー小説大賞短編部門に出すつもりだったのだがいざ書き出してみるとそんなに枚数が稼げないことに気づく。表現したかった感触はそんなにバラエティを与えたり出来る類のものではなかったようだ。下手に人物を増やしたりしても薄まるだけだと判断、ホラー大賞に出すのは諦めて必要充分にまとめた。お陰でホラー大賞には別の短編を書いて出すこととなった。

 最後の最後のオチは、こうすべきかどうかかなり迷った。分かっていてやったのか分からずにやったのかで印象ががらりと変わってしまう。まあでもこんなオチは一度しか使えないだろうし、ということでここで使うことに。

 で、タイトルなのだがわざわざ『クールドライブ』に対抗せず物語の本質に合ったものが、と『ナイトメア・ドライブ』とか『ダーク・ドライブ』とか色々考えたのだが、どうも私の感覚に合わず、結局掲載寸前で『コールドドライブ』に戻った。『コールド・ドライブ』の方が良かったかな、とも思ったがどうもテンポが悪くなるな。

 ちなみに何故か『クールドライブ』を検索してもその本が見つからないのだが。おかしいな、私の記憶があばばばばばば。

 それにしても、空っぽの話です。元旦にこれをアップするのはどうかとも思ったけれど、まあ、今年もよろしくお願いします。

 

『悪狼魑』

 もうアイデア自体は五、六年は前になると思うが、他のスケジュールが詰まっていたしうまく書ける時までのんびり待っていたら時が流れてしまった。今回『コールドドライブ』がホラー小説大賞に出せなくなったので漸く書くことに。

 元々のタイトルは『黒い死神』で、いざ書こうとして検索したら同じタイトルがあったためこんなタイトルになった。

 暴走族への恨みから怪物車を作って復讐する親父の話ですが、当初のオチとしては暴走族を追いかけているうちに無関係の一般人を轢き殺してしまい、うああと叫びながら車を降りて親父は自殺、暴走族は俺達は走りを純粋に楽しんでるんだとか言いながらのさばっているというものでした。ただ、寺沢武一『コブラ』の一エピソードに似た話があったため、その影から逃れるように軌道修整されました。また、最初のバージョンではあれだけやって警察に見つからないのはリアリティに欠けると思い、親父は既に死んでいて幽霊となって幽霊車を動かしているという話にしましたが、これってまた『自動霊』とかぶるような気がして、書き直しで最初のアイデアに戻りました。

 主人公は私好みの冷徹ぶりです。『コールドドライブ』と書いた時期がかぶってるしなあ。

 読み返してみるとそれなりに楽しめる(?)のだけれど、やはり賞を狙ったりするには足りないなあという気がする。特に、殺戮ばかり書いていてマンネリが気になりつつある。もっと早く書いていればもっと新鮮な気持ちで違う色が得られたのだろうか。悲しいことです。

で、『血の天秤』の第一話として電子書籍で出版されることになったため、サイトの方は掲載終了となりました。

 

『闇の階段』

 生きていれば小さなネタも溜まってくるもので、『破滅の夜』『絶望の歌』に続いて第三弾です。今度は駄作のないように丁寧に積み上げていく予定ですが、第百段に辿り着くのは何年後でしょうな。第十三段で終わってしまう可能性もいえ何でもないです。

 第一段 来訪予告 ……二十枚弱の短編を圧縮。その過程で表現したかったものが消えてしまってないか心配だ。

 第二段 キューブ ……あるサイトで「キューブ」をテーマに作品募集していて思いついたネタ。でも書く暇がなくてずっと放置していた。圧縮する前のバージョンは内容もかなり違っていて、実は首と箱だけになった無数の敗者達が天井のマジックミラー越しに見つめていて呪力で賽の目を操作し、挑戦者もその山に加わることに以下略。

 第三段 中二病世界救済委員会 ……当初ここに入る予定だった『小説家への道』はもう暫くかかりそうだ。少し中二病の中心から焦点がずれてしまったような感はありますが、まあ。

 第四段 世捨て人 ……同じようなことを思いついて独り言に書いたのだけれど、やっぱり逃れられないよなあ、と。

 第五段 遠くを見る目 ……これまでいかにも書いてそうな話だが、どうも書いてなかったっぽいので。

 第六段 小説家への道 ……ええっと。ホラー大賞に出すつもりで五十枚をクリアすべく書いてみたのだけれど、あまりの痛々しさに書きながら苦痛を覚え……。書いてたことが実は現実だったとかの要素も入れていたのだが、逆にテーマがぼやけるし長いと更に痛々しくなるので出来る限り削ったもの。もうこれで痛くありませんね。痛くない。痛くないんだああ。

 第七段 障害者革命 ……ギャグのつもりはない。小林よしのりのゴーマニズム宣言、障害者プロレスを見たというエピソードで、知的障害者だろうと書かれたレスラーの一人が、自分は知的障害者じゃないと怒ったという話から。差別をなくすのは不可能だと思った。短編〜中編のアイデアであったが、そこまでの分量は不要と判断した。

 第八段 環境に配慮した美味しいビールの飲み方 ……まあ、人生こんなこともありますよね。

 第九段 頭の中の出来事 ……僅かな希望を叩き潰す、全受動疑惑。自分では非常に怖い。それにしても私はこのテーマにこだわってるなあと思う。何度かチャットなどでは書いてきたが、小説にここまで具体的にしたことはなかったような気がしたので。

 第十段 幻罪請負人 ……際限なく続く虐殺の応酬をどうにか出来ないものかと思い。実際にやってもこの通りにはならないでしょうが。しかしオチでぶち壊す。障害者革命とかぶってるが、かぶってるからといって敢えて逸れたくもなかった。

 第十一段 寝言 ……どうも落ちているのに落ちてない気がして気持ち悪く、一年以上寝かせていた。突破口が浮かんだ気がしてちょっと書き直したのだがやっぱり微妙な感じは残る。悪魔に取り憑かれているのではないかという伏線をもっと散りばめてからひっくり返すべきなのだと思うが、あまり引き延ばすのもなあ。

 第十二段 投してやる ……一時期流行っていたネット上のチキンレースでとことん文章を作ってみようと考えたもの。しかしこれもなんかパンチ力不足な気がして寝かせていた。少しはましになったろうか。

 第十三段 目覚まし時計が壊れてて ……『殺人鬼探偵V』でも使ったけれど、なんかこのフレーズが気に入っているんだよなあ。元のタイトルは『寝坊』。もう数行くらい足すべきな気がするのだが感覚的なものなので具体的な案が見えない。それなりに好き。

 第十四段 事なかれの詩 ……最初は事なかれ音頭にしようかと思ったのだが、そうするとちゃんと字数を揃えたり韻を踏ませたりとか気にしないといけないのでこうなった。

 第十五段 選ばぬ者 ……ZeoClineというゲームでキャラメイクを延々と繰り返していて思いついた。ウィザードリィでもやってたし、これ自体が楽しかったりもするんだよなあ。そして本編をやるのが面倒臭くなったり。

 第十六段 ファイナル・デスティネーション・ツアー・バス ……国民が建前を維持したいのなら、こうするしかないんじゃないですか。タイトルはツアーとバスは逆の方がいいのだろうけれど、語感からこうしたかった。

 第十七段 あなたに似た人 ……最初のおかしな流れが肝だったのかな。

 第十八段 見えているか ……「見えている」と答えられても本当にそうなのか証明しようがないので、結局不安は解消されずに延々と問い続けることになるのだろう。

 第十九段 サディスファクション ……元はチマチマした削り合いで相手に傷を負わせて優越感に浸りつつ、自分が傷つけられてまだ大丈夫、取り返しはつくと自分を安心させようとする心理のせめぎ合いを描きたかったような気がする。短編のネタだったが五十枚は行かないだろうと思ってこっちに。しかしここに並べるものにしては長い。縮めようとしたが縮まらなかった。近年、文章がどんどんくどくなるのを自覚している。っと、そうだ。タイトルがかぶってないかと検索したら、どうも洋楽のアルバムであるみたいなんだよなあ。……。気にするな!

 第二十段 二人だけの遊び ……昔から抱えていたネタで原題は『パワー・ゲーム』。これも長編や中編にするほどでもないかと思い。

 第二十一段 定食屋にて ……段々文章がひらがなばかりになっていくようにしたかったのだが、短過ぎて無理だった。元は短編にするつもりだったもの。要素を抽出すればこんなに短くなるものだ。

 

『陰を往く人』

 どのイメージから始まったのかはもう忘れてしまいましたが、殺人鬼の少年がひっそりと生きる話として、多分第一章の展開が取っ掛かりだったと思います。黒贄さんはあっちの方に飛んじゃってますので、もう少しリアルで陰鬱な話を書こうかと。設定と色合いは『おじいちゃんは殺人鬼』と対を成す作品だったりしますが、そっちはまだ不安点があるので掲載出来るのはいつになるやら。

 高校が舞台故かライトノベル寄りで、でもそれにしてはスプラッターだし拷問もするしで困ったものです。主人公はもしかすると真鉤夭ではなく藤村奈美の方かも知れません。私は天海東司が凄く好きだったりします。とても真似は出来ませんが。

 日暮静秋と南城優子は、大学時代に最初に書いた短編の登場人物達です。シリーズにするつもりでしたが下手糞で一定レベルに達せず、いずれ書こうと思いながら十数年放置状態でした。今後書くことになるかどうかはまだ分かりません。でも取り敢えずこちらのシリーズにはレギュラーで出ることになります。日暮静秋の元の名は違っていたのですが、ある事情により変更しています。似過ぎてるんだもんなあ……。

 あっと、泣きオチは『殺人鬼探偵III』よりこっちが先です。どちらも大事な要素なので引っ込める訳にも行きません。また、最終章の詩は『絶望の歌』の最後に提示させて頂きました。無事に生存してこうやって本編をサイト掲載出来たのは喜ばしいことです。

 あ、それから『うしおととら』を読んだらナマハゲの話で人皮を着るという要素があったんですなあ。昔読んでてすっかり忘れてて、びっくりしました。私の方の根っこは日暮が言ってたように外国の民話由来なんですけれど。

 ライトノベルの賞に出すには残虐過ぎるので日本ホラー大賞に出したのですが一次通過のみで落ち、ううむどうしようかなあと思いながらもう2まで書いてしまってます。こちらはまた書き直してサイト掲載の予定ですが、いつになるかはまだ未定です。3で一つの区切りをつけるつもりなので、その辺が固まってからかなあ。賞に出せない小説の執筆に時間が取られ以下略。

 さて、高校時代が既に遠くなってしまった私ですので、執筆に際しては高校について掲示板で質問して、何人かの方に教えて頂きました。この場を借りて(?)改めてお礼申し上げます。

 

『モラル』

 『青少年倫理道徳復興委員会』でも似たようなことをやってますが、やっぱりグズグズでグダグダでムカムカする奴らをバッサリ皆殺しにしてやりたいなあというのが出発点でしょう。それをやってくれる怪人としてモラルの登場となるのですが、モラルに対抗する魔人として憲法第九条という名称が浮かんでしまい、こんなことに……。

 彼らの対決をどうやって決着させるのか、最初に考えていた展開とは公開討論辺りからずれていきます。何より憲法が無敵過ぎたのが問題で。しかしまあ、これはこれとして、それなりにきっちり決着したなあという気がしています。

 社会の反応とか公開討論とかも含めて、非常に苦労しましたなあ。殆ど討論になってないというのはさて置いて。前者については今後世界の崩壊などを描く際にも役立ちそうです。ただ、網羅させ過ぎたかなあ。情報過多で流れが悪くなったかも知れません。きっと読むのに疲れます。書く方も疲れました。

 モラルの方法論については、これを欲したから書き始めた訳ですけれど、やっぱりこれでもうまく行かないだろうなあというジレンマもあり、エピローグの最後の場面に象徴させています。読者の皆さんは唖然としたかも知れませんけれど。

 幻冬舎のアウトロー大賞というものに応募したのですが、あっさり落ちました。アウトロー大賞に『モラル』を出すという皮肉が自分では楽しかったのですけれど、いやはや、人生は厳しいですね。

 この話は憲法第九条という殺人鬼名も含めて、色々とヤバそうな感じがします。しかしどうしても変更出来ませんでした。その辺りも踏まえて、出版とかされて問題になるよりは自分一人の責任においてネットで無料公開というのが適切なのかも知れません。

 

『殺人鬼探偵IV』

 おそらく読まれた方も末期を感じられたのではないでしょうか。

 殺人鬼探偵というコンセプトはいつまでも続けられるものではないと考えていましたが、やっぱりそのようです。更に、Vでひとまず完結の予定なので今回は候補だった要素を出来る限り採用しています。そのためキャラがかぶったりオチがかぶったり肩透かしを食ったり色々と困ったことになっています。また、ギャグは面白さと痛々しさのギリギリのラインを、後者の方に越えちゃってるような。商業ベースでもなく好き勝手に書いているとどんどん偏っていくような気がしますなあ。いや、愚痴っちゃ駄目ですね。

 第一話は『サランドラ』『悪魔のいけにえ』『クライモリ』など、僻地に迷い込んだ若者達が惨殺されていく話に黒贄さんで滅多打ちに復讐してやりたいなあと考えたのが始まりです。ただ、敵の正体がアレだったのでカタルシスが得にくくなってしまいました。やっぱり最凶の悪は生身の人間であるべきなんですよねえ。それにしてもまた地獄寺とかぶってしまったなあ。

 第二話は1の『髑髏』と同じコンセプトですな。殺す方の立場ばかり楽しく描いていてはいかんな、と。こういう反対側の面も描いておくべきと考えました。もしかすると今回の中で一番『まともな』話なのかも知れません。

 第三話は黒贄さん学園ものを以前から書いておきたかったのでこんなことに。教室でのやり取りはもう少し丁寧に書くと痛々しくなってしまうのでこのくらいの描写が妥当かと。

 第四話も以前からのアイデアでしたが、実際に迷探偵を配置してみると、こりゃ変人ばかりで推理なんて出来ませんわ。それでもそれぞれの人物を少しでも活躍(?)させようと頑張りました。その分カオスです。

 第五話は、黒贄さんのライバルを出さないのかというご指摘を見かけたために頭をひねった結果の悪です。以前から『善の医者vs悪の医者』は一人の医師の分裂した内面ではないかと思っていまして、今回こうやって形になりました。ちなみに同じく二重人格の医師を別の長編に登場させていたのですが、執筆途中でお蔵入りとなり……。地獄坂の下の名は暫く悩みましたが、丁度良いものになったと思っています。

 第六話は、ちょっと偏った話ばかりが続いたので最後くらい派手でカタルシスの得られるものにしようと。タイトルの元ネタは勿論有名なアレです。でもやはり、これまで黒贄さんも散々派手に立ち回ってきたので、このくらいの戦いでは皆さんも満足出来ないかも知れませんね。恐ろしいことです。

 Vは長編になります。誰が敵となるかはもう判明していますね。大筋とクライマックスの場面はほぼ浮かんでいるのですが、もう少し細かいところは詰めが必要です。出来れば2008年中に書いて2009年の元旦にアップしたいと思っています。

 

『陰を往く人II』

 実際にはIのネット公開前に一通り書き上がっていたもの。第一話は修学旅行、雪山、雪男、鉄球、という感じです。

 鉄球はIの最初のバージョンで使っていたのですが、書き直しで削除したため、なんとかIIで登場させたい、と。ぶん回し具合が『殺人鬼探偵IV』とかぶっているのですが、まあ仕方がないかな。

 最後の最後まで悩んだのがバスの車載無線機で、これが実際のところどの程度の距離まで有効なのかが検索しても良く分からず、また、基地局が必要なのかどうかも良く分からず、土壇場まで無線を積んでいないことにしていました。一応そういうバス会社もあるみたいだったし、無線が外部に届いてしまうと展開自体が破綻してしまうので。

 しかしやっぱり積んでないのはおかしいと思い、近距離のバス同士の通信程度の性能として積ませることにしました。実際に修整したのは十行以下かなあ。とすると今度は村人が連携に使っていた(といっても描写されるのは一度だけ)携帯無線機にバスの無線が通じる可能性も出てくる訳ですが、これは文中には明示してないですがバスからの無線を村人は全て無視していたと解釈して下さい。

 今回は日暮と南城は少ししか出番がありませんでした。じいやが狼男で「坊っちゃん」なのは十数年前から決まっていたことです。

 雪山の事件を発端としたマルキとの対決はIIIで出すつもりだったのですが、第一話の分量が予想よりも少なかったため、第二話として中編で書くことになりました。そのためちょっとあっけないことになったかと思います。マルキとの次の関わりはIIIで、逆の意味で描かれることになると思います。

 得体の知れない第三者として配置されたのが楡誠なのですが、彼の性質と能力をどのように設定するかでもまた悩みました。あまりとんでもない能力を持たせると折角のリアリティ(?)が失われてしまう訳で。ただ、既に日暮の結界など魔術的なことはやってきたので、ぎりぎりここまではアリかなあ、と。おそらくIIIで少し言及されることになるでしょうが、彼は近距離における超絶的な空間支配の代償に弱点も以下略。

 ざっと見渡すと、Iに比べてかなり派手になってしまった感じもしますが、自分では緊張感がかなり気に入っていたりします。

 IIIはまだ準備段階で書き出してないので、どうなることやら、というところですが、なんとか来年には公開したいところです。となるとまたスケジュールが大変ですな。

 

『指喰いと腐れ風神』

 昨年のホラー大賞に出すつもりだった『小説家への道』がひどい出来だったので諦め、何か良い短編はないかと考えていたら『指喰い』という魔人の不気味さが浮かんできた。

 そこから対決ものに持っていきたくなり、『指喰いと○○』というタイトルとして丁度良い相手はいないかと考えた末に出てきたのが『腐れ風神』。ということでタイトル先行の敵役だ。というかどっちも敵だ。

 繋ぎ役として神楽鏡影を選択することになり、一応この話は『殺人鬼探偵』シリーズの外伝ということになる。ここで神楽が手に入れたものについてはおそらく『殺人鬼探偵V』には出てこない。後の独立した長編『カオス』で登場させる予定だが、これはいつになるのかまだ分からない。

 書き上げたはいいのだが、やはり賞を狙うには普通過ぎるという気がする。結果も一次落ちだった。話としては自分では面白いのだけれど、なんか描写がキリキリしてないなあという自覚もある。描写が冗長になってしまったようだ。もっと簡潔に、楔を打ち込むような文章にしたいのだがなあ。

 『殺人鬼探偵V』は2010年元旦の掲載を目指して頑張ります。ずれ込んでしまって申し訳ないです。どうか皆様長生きのほどをお願い致します。

 

『唯一絶対超絶究極大殺戮神』

 複雑で脳味噌を絞らされるような小説で苦労していた時、単純明快に蹂躙に対抗する蹂躙でぶち殺しまくる話が書きたいなあと思っていた。

 それでいつか書こうと思ってアイデアを放置していたのだが、『ランボー 最後の戦場』を観てああやっぱり単純明快はいいなあと感銘を受け、本格的に書き出すことになった。しかし実際に書いてみるとSF的な描写に脳味噌を使うことになり、あれれという感じだ。

 また、素手のじいさんが宇宙船を粉々にする描写なんかあまり詳しく書いても仕方がないので、文章のテンポを速めて乗り切った。代わりに前半で少し積み上げをやっている。

 読み返すと、作者としてはなんだか笑いが込み上げてくるのですが。

 ちなみに最初のタイトルは『唯一絶対大殺戮神』だった。プッチンプリンは最近滅多に食べませんなあ。

 額の文字が『殺』でないのは、ほら……クラウザーさんと、かぶるので……。

 

『デビル・ボード』

 きっかけは1999年12月13日の朝に見た夢だった。ここに書き出そうとして読み直したらかなり支離滅裂だったので、要素を並べてみる。バーチャルトリップ用のゲームらしく私はそういうのが得意な友人と一緒に参加する。始まってすぐ黒いドレスを着た魔女が屋根の上からマグマを撒き散らしてみせ、あっさり三人くらい死ぬ。一定のルールに沿ってサバイバルゲームが進んでいく。ルーレット(スロット?)マシンを使い有効なアイテムや武器を入手出来る。私は護衛用のロボットを期待して引いたのだが、自分を狙う不死身の殺人鬼を出してしまい、以降ずっと追われ続けることに。近くの魔術ショップの魔術師は顔見知りだったが殺人鬼によって死亡。他のメンバーもバタバタしている。独自のつて(あるのか?)を使い有効なアイテムや情報を得ようとする者が殆どだが、自分の力だけで生き抜こうとする者もいる。若い女はパニクッていて、ショップの魔術師に意図的に間違った商品説明をされ、ネックレスを自分の首に巻いて息絶える。グループで行動していて男は剣で壁を切り抜いて脱出。

 てな感じだった。それをなんとか形にしたいと考え、最初は夢の通り電脳世界の出来事にしようとして『電脳悪魔』という仮タイトルにしたが、それって女神転生だと気づいてならばボードゲームをリアルでやる方式にしようとしたのが2000年だ。そしてアイデアのまま2008年まで放置、と。という訳でまたまたキリックの編集さんにはお礼申し上げます。

 ボードゲームとフィールドとの関係をどうするかで少し悩むことになった。島に吸い込まれ、その空間内で自分の番になったら目の前にボードが現れ自分で駒を進めるという方法も考えたけれど、死んだプレイヤーの様子がきちんと見えた方が良いこともあり編集さんの意見も聞いた末、基本は室内で、自分の番の時だけ吸い込まれるということに。最善だった。整合性などもあるため夢から色々変更せざるを得なかったが、出来る限り当時の要素を入れようと試みた。魔女はそんなに悪意に満ちた様子でもなく、最終的に協力してくれるのではないかと感じていたのでその通りに。もっと早い段階で登場させるつもりだったのだけれど。スロットは店内で無料で引けるようにしようと思ったが変更。店員は旧い友人にするつもりだったが年齢と経過年の関係上、自分より年上の人物に。ネックレスはよくよく考えると使いにくいアイテムなのだが、少し仕様変更もした。

 書き出す前の予想では原稿用紙換算で四百枚くらいだろうと思っていたが、死に方のバラエティを起点にプレイ人数を設定したこともあり大所帯でその分枚数を食うことに。そのため重複しそうな描写は出来る限り削っている。モンスターと戦う場面はもう少し書きたかったのだけれど、読者の感覚が疲弊するので。主人公はもっと早い段階で数人でのグループ行動に加えるつもりだったし、山本とは一度盤内で出くわす筈だった。また、山本と尾園は相討ちで、死体も回収不能にするつもりだった。戸倉との対決は先にカードでの攻防が続き、最終的にケルベロスを連れた戸倉との正面対決になる予定だった。そんな色々なことが色々な理由で変更されている。

 ボードゲームであり、あまり勝手に作者の都合で駒の移動やカードの引きを操作すると後で矛盾点が生じる恐れがあると思い、自分でゲーム盤も作成し、カードの内容も全て決めておき、本物のダイスを振りながら毎ターンの各自の行動とポイント、カード、アイテムを書き留めることとなった。物凄く大変だった。二度とやりたくないです。書き直しの段階で少し駒の移動などにも変更があったため、進行表をお見せすることは出来ません。

 『ジュマンジ』との類似点について、気にはなっていたが観てないので何とも言えない。ただ、どちらかというと私のイメージ的にはガキの頃にプレイしたことのある悪霊島ゲームというボードゲームに近かった。とっくりの悪霊とか何でも悪霊にし過ぎだろという突っ込みも当時あったが、これにあった般若の悪霊はなんか語呂が良いので今でもしっかり覚えている。しかしゲームのルール自体は殆ど覚えていない。バンダイのパーティージョイシリーズの第一弾で名作だったらしい。バンダイさん、ちょっと再販してみませんか。

 今回のテーマのようなものとしては、即死系サバイバルという感じだったろうか。とにかくあっさり死にまくる展開が見たかった。しかし書いていくうちに、主人公がこの性格なら『吸血鬼になる前と後』がやれるなと気づいた。私がずっと気に入らなかったのが吸血鬼モノにおけるこの心理変化で、なる前は「この化け物めっ」とか言ってるくせに自分がなってしまうと「吸血鬼は素晴らしいぞ、うへへ」なんて言ってしまう奴ら。人間の精神って所詮その程度ですか。精神は状況の奴隷ですか、と。実際のところ、自分の精神は自分では『殆ど』コントロール出来ない。しかしほんの僅かながらでもその余地はある筈だ。そう願う。

 あっと、ちなみに私と主人公とは無関係です。あんなにしつこくもないしあんなに紳士でもありません。多分序盤であっさり死にます。朽木先生も菊地先生とは何の関係もありません。本当ですって。

 

『スイート・スーサイド・ナイト』

 キリックの編集さんから短編のお誘いがあり、ネタのストックからピックアップして短編を三つ書いてみたうちの一つ。他の二つは片方がダメダメでお蔵入り、もう片方はちょっと寝かせている。

 迷惑な自殺というものを防ぐための対策と、迷惑を蒙った者の憎悪という二つの要素が起点。後者をオチとして表すためには前半この要素は隠しておかねばならず、感情的なツボが足りなかった気はする。

 裏番組で『青少年倫理道徳復興委員会』の『大人を舐めるな』が放映されているとか、最後の最後に霧沢さん率いる強襲部隊が人体実験施設を襲撃して主人公を殺してくれるオチとかも考えてはみたが、わざわざ混ぜて作品を腐らせる心配の方が強かったためやめた。続編が駄作で前作の輝きまで鈍らせるなんてのは良くあることだ。

 

『殺人鬼探偵V』

 プロローグを読んで、エピローグのオチに予想がついた方もおられることと思います。『殺人鬼探偵』シリーズの最後はこうであるべきと感じていました。

 地獄坂明暗を出した時にVの内容はほぼ決定されていました。世界を救うか滅ぼすかというのは最もオーソドックスで根源的なテーマなのですが、このアンヴィバレンツの行く末として、『殺人鬼探偵』ならではの答えになったのではないかと思っています。地獄坂の口を通してかなり言いたいことを言えちゃったので、もうこれで私は死んでも大丈夫かな、とちょっと思ったりしましたが、まだまだ生きて書き続けますとも。

 地獄坂明暗にかなり焦点が当たってしまい、主人公の影がちょっと薄くなってしまいました。しかしこれ以上エピソードを詰め込むのも難しく……。で、でも、ちゃんと推理もしましたし。ちゃんと推理当たってましたよね、最悪の犯人は探偵自身であったという……。

 もっと地獄坂側の敵と戦ったり倒したりさせ、スライミー藤橋もちょっとくらいは活躍(口に入り込んで窒息攻撃)させるつもりだったのですが、書き始めて気がつくと、地獄坂の性格上、彼はたった一人なんですよねえ。

 完結編であり、物語の規模的にもこれまでの登場人物がかなり再登場しています。まあ大半は出た途端に死んでますが。ちなみにドクター・Mがまとめた亡者のうち、睨み合って歩く二人の老魔術師は幻真と死泉だったりします。ついでにその前に『殺戮の地平』のカイズとビューローも出ていますが、ちょっとした描写だけなのでまず分かりませんよね。

 二人の彼女の再登場は、その章を書いてるギリギリで思いついたことで、いやはや間に合って良かったですな。……。

 黒贄の虚無をまがいものと断じたことなどは、前から私自身が気になっていたことで、黒贄さんに弁明の機会を与えたかったものです。

 天神の町を歩いていて殺人鬼探偵というアイデアを思いついたのは1999年2月13日だったようです。それから十年以上が過ぎて、こうして第五作の完結編まで書けたことは大いなる喜びです。このシリーズに私自身が支えられ、そしてシリーズを支持して下さった皆さんに支えられて、ここまでなんとか生き抜くことが出来ました。この完結編の内容・方向性に不満を感じた方もいらっしゃるとは思いますが、改めて読者の皆様にはお礼を申し上げます。

 さて、次は番外編として黒贄さんアメリカ編を短編で書く予定です。更にその後、『カオス』に主人公ではありませんが神楽鏡影、ポルルポラ、アンギレドが再登場することになると思います。こちらはいつになるかは分かりませんけれど。

 そうだ、折角の完結なので、これまでのシリーズ通して分かりにくかったと思われる名前の読みと、補足説明などをざっと並べておきますね。

 黒贄礼太郎(くらにれいたろう)……彼の読み方を定着させるために作中で何度も何度も訂正させている。最初の名字案は「血神」だったが黒贄で良かったなあ。彼はあらゆる殺人鬼要素の集合体であるため性格がハチャメチャだが、書いているうちにそれなりにまとまった気はする。

 大曲源(おおまがりげん)……くたびれキャラとして始まった彼だが、どんどん投げやりズムがエスカレートしていき、3での言動は自分でもビックリした。史上最悪の黒幕として、きっとしたたかに生き抜いてくれることと思います。大好きなキャラです。

 神楽鏡影(かぐらきょうえい)……最初は得体の知れない『闇の占い師』として余裕のあるポジションにつく筈だったのに、仮面の黒贄を見た瞬間から微妙な足掻きを強いられるように。或いは登場した最初の場面が暗示していたのかも知れません。

 大谷五郎(おおたにごろう)……バラバラになりましたけれど、きっと今も元気です。

 剣里火(つるぎさとび)……彼の運命はその存在そのものが語っていた訳で。もっと活躍させてあげたかったけれど、地獄坂の性質上対決の機会があまりありませんでした。

 八津崎市長(やつざきしちょう)……きっと本当に名字が八津崎で名前が市長です。

 角南瑛子(すなみえいこ)・岸川悠里(きしかわゆうり)……彼女達の再登場の兆しは多分3の事務所場面からだと思います。

 紫香楽伊織(しがらきいおり)……史上最悪の黒幕の妻として、きっとしたたかに以下略。

 城智志(じょうともし)……2で戯れに出した感銘を受けやすい警官がこんなことになるとは。この人最後で死ぬ筈だったのに、森川敬子と一緒に何故か生き残ってしまった。

 草葉陰郎(くさばかげろう)……この人の名前を検索したら一人か二人見つかってしまったのだけれど、やはりこれが最適な名前と思いそのまま採用しています。

 紅本亜流羽(べにもとあるば)……「バ=アル」と「アッピンの赤い本」のアナグラム。

 薄井幸蔵(うすいこうぞう)……『迷探偵大集合』で死んだ後、本当にこれで死んでいいのかなあと思い始めたため、結局戻ってくることに。最後の場面も生きてます。

 洲上天心(すがみてんしん)……『迷探偵大集合』の時点では後に出る予定はなかった人。過去の記録と会話するのは映画『スクリーム3』が元ネタ。

 地獄坂明暗(じごくざかめいあん)・天音善道(あまねよしみち)……彼らの存在はそのまま私のアンヴィバレンツを象徴しているように思う。ついつい感情移入してしまった。

 ローンガンマン……彼が拾った拳銃が愛用のあれだったかどうかは、私も知りません。呪われた銃は歴史がありそうですが、多分ローンガンマン一人だけでもやはり万単位で殺しているだろうと思います。

 ミスター・ドリトス……第二回殺人鬼王は必ず出すつもりだったのだが、どうしてこんなネタキャラになってしまったのか。彼の呪文(?)は相当悩んだ。

 正木政治(まさきまさはる)……本人は成仏しているので再登場はなしです。

 神羅万将(しんらばんしょう)……自身がつけた名が森羅万象のモジリであることは、名前がかっこ悪いと指摘された後で明記した。

 業頭原重隆(ごとうばらしげたか)……彼の名前の読みは何処にも書いていなかったので、多分誰も分からなかったと思います。

 鮫川極(さめがわきわむ)……夢で見た登場人物で、本来は全く別の話に出る筈だった人。割と気に入っている。

 路傍石(ろぼうせき)

 逆楡龍苑(さかにれりゅうえん)

 円崇泰全(えんすうたいぜん)

 不渡静磨(ふわたりしずま)……この人も成仏してるので再登場しないのだが、彼が提案した「クンドラベッタラドッポレ」がどうも私の頭に残り続けている。

 頼澤則常(よりさわのりつね)

 狂頭杯(きょうとうはい)

 飛頭鎖(ひとうさ)……狂頭杯の対として出したものだが、アイデア自体は昔別の話の短編に出す予定だったもの。死体の首から下は石膏で固められていた。

 それでは皆様、いずれまたクンドラベッタラドッポレー。

 

『青髭未満』

 こんな私なので、一生独りで過ごすことになるのはまあ仕方がないと思っていた。私は好みが厳し過ぎ、ついつい完璧永遠不変唯一絶対究極を求めてしまう人間だ。買い物ならそれでもいいのかも知れないが、人間相手だと現実にあり得ないものを望んでいることになる。そういうこだわりを吹き飛ばす、決定的で運命的な相手でなければ、きっと私は何かの拍子に冷めて邪魔になって殺したくなってしまうだろう。

 それが、じわじわと世界が薄暗くなって閉塞感が増していき、ああ、これは死ぬな、と感じ始めたのが去年の夏頃だ。

 ここに至っても運命はやってこなかったので、私は人生の真実を知ってしまった。

 何もしなければ、何も起きないのだ。

 ということで、そろそろ行動してみることにした。

 その結果がこの小説だ。

 ……。えっ。

 いや本当です。これが私の恋人募集文なんです。信じて下さい。

 信じろ。

 ネットでこんなことをするリスクも承知しているつもりだが、結局私を最も理解しているのは、このサイトで私の小説を読んでこんな文章まで読んでおられる人だと思うからだ。洗脳する手間が省けるもとい、まずはこれを第一歩にするのが筋だと判断した。

 私は変人であまのじゃくで相当の難物だ。常に不安に追われる詰めの甘い完璧主義者で、同時に悲観主義者で厭世主義者だ。独りでは虚しいと感じつつも人間嫌いだ。偽装や卑屈さも嫌いだし、相手のちょっとしたあざとさを感じ取って一瞬で冷めることもある。それは自分のあざとさの裏返しなのかも知れないが。この文章自体も実はあざとい。という一文を入れて言い訳してしまうくらいあざといのだ。

 それでも興味をお持ちで絶対の支配力に自信がおありでしたら、熟考の上でご連絡下さい。取り敢えずお知り合いとして会ってみましょう。どうか、初っ端から全人生を懸けてしまわないようお願い致します。私の好みは偏っていますし、お互いにピンと来ないこともあるでしょうから、あまり力を入れ過ぎると幻滅や絶望が殺意に変わりいやはや人生は恐ろしいです。

 相手が見つからなければ、仕方がないのでやっぱり独りで生きていきます。あれから次第に回復して、なんか生きていけそうになってきたので。時間が永遠で魂が不滅であるのならば、まあ、来世に期待だ。

 来世に期待だ!

 追記:区切った方が良さそうなのでひとまず5/2には恋人募集を打ち切る予定です。作品の掲載は続けますが。

 更に追記:5/2になりましたので正式な恋人募集は打ち切ります。……。来世に期待だ!

 

『想師』

 私名義になったので一応書いておくか。

 元々のアイデアは夢で見た。現実世界のトラブルを、別次元に入り込んで解決する男。しかし肉体への帰り道を別の男に騙されて使われ、肉体を乗っ取られる、というもの。

 この現実と別次元のアイデアというのはもっと前にあったような気がする。小学生の頃、ベーシックマスターJrというパソコンを持っていてたまに自分でゲームを作ったりしていたのだが、そのアイデアとして、二つのマップをその都度切り替えて、敵から逃げつつ目的のアイテムを掴むようなものを考えていた。マップは地形が違っているが切り替えても自分の座標は変わらないので、なんか面白いゲームになるのではないかと。しかし結局作らなかった。

 で、最初のバージョンを書いたのが2000年だ。日本ファンタジーノベル大賞に出して一次通過で終わった。と、その後にムー伝奇ノベル大賞というのが始まって、菊地秀行と夢枕獏が選考委員として参加すると知り、これは応募しておかねばということで出したものだ。当時ムーは読んでいなかったので、一次選考を通ったことも知らなかった。

 選考会では夢枕獏のサイコダイバーシリーズとの類似点が指摘されている。意識がビジョンと肉体に反映するというのはかなり影響を受けていたと思う。ただ、自分としてはサイコダイバーの影から逃れようと出来るだけ努力したつもりだ。

 応募時は「狂崎魔人(きょうさきまひと)」というペンネームにしていたのだが、「狂」「魔」はまずいとのことで、学研の編集さんに「今日崎麻人」はどうかと言われてあっけに取られた。必死に考えて「灰崎抗」にしたが、なんとなくモヤモヤしたものが残っている。ちなみに授賞式では菊地先生に「狂崎魔人」の方が良かったと言われた。まあ、そんなもんですよね。

 出版に際しての書き直しで、幽螺屍奇との対決は二段階になり、噴火を収める章も追加された。師匠の爆発の中に九鬼凍刃の糾弾を見る場面は気に入っている追加箇所だ。

 後になって読み直すと、主人公は誰にも敬語を使わずに威張りまくっている。また、それぞれの登場人物がやや典型的で、未熟さも感じるのだが、ならば今うまく全体を書き直せるかとなると、多分別の大事なところが失われてしまうのだろう。そのため、今回修整したのはおかしな表現の訂正と、漢字使用基準をキリック社の方針に従って直したくらいだ。彩香の読みが「さいか」から「あやか」に訂正されたことは特に嬉しかったりする。こんな大事なところを校正で見逃してたんだよなあ……。

 キリックの編集さんに声をかけて頂き、今回電子出版で復活することになったのはありがたいことです。キリックの編集さんと、当時応募前の『想師』を試読して感想を下さったネットの皆様には、改めてお礼申し上げます。そして、待っていた下さった皆様にも。

 それから、学研さんとの契約解除については、まず電話で連絡した後メールを送ることになったのだが、予想外にすんなり了承を頂いたことも印象に残っている。太っ腹だぜ学研!

 いや、単に私がもう用済みの人間であるというあ略。

 

『想師II 悪魔の闇鍋』

 『想師』で受賞してしまって、学研の編集さんにいついつくらいまでに続編を書いて下さいねと言われてちょっと焦りながら書いたような気がする。設定ファイルの作成日は2001年3月9日で、書き出したのが2002年4月となっている。

 1でもやったことだが、このシリーズでは二種類の敵と混ぜこぜして戦うことを念頭に置いていた。1では九鬼凍刃と幽螺屍奇であり、今回はヌーネとゼノファストだ。ゼノファストは早々にヘタレてしまったけれど。そして、ゲール・ブライトの不気味さが段々出てきている。

 1の残っていた要素であるルシファーの翼を消化しつつ、想師の概念の一部でありおそらくは皆も普通にやっている、見なすことによって相手を形作るという方法、そして善と悪の定義などのテーマを並べている。世界に十数人いるという想師も出しておく必要があるなということでゼノファスト登場にもなった。ゲーム形式で戦うというのは自分では面白いと思ったのだがあまり評判は良くなかったようだ。

 このゲーム形式、特にポピュラスタイプを使いたかったのがややこしく、私としては別にパクるのではなく、現実に流行っているゲームとしてポピュラスを取り上げる訳だから問題ないだろうと思っていた。が、ポピュラスの権利会社に問い合わせてみるとどうも問題あるかも、内容を教えてくれ、権利使用料を取るかも、などの返事であった。学研の編集さんにその旨を伝え、法律関係の部署の判断では全く問題なかろうということで結局そのまま出版となった。この辺は割とデリケートらしく、漫画などでもしばしば伏字にしたり微妙に名前をいじったりした商品・作品が登場する訳だ。私は逆に隠すのは不誠実と考え、登場人物に「ポピュラスタイプ」と喋らせている。作者が自分で作り出したと主張する盗作と、現実と同じように作中に存在しているものとして取り扱うのとでは明らかに違うと思うのだが、創作者の皆さんはどう思ってらっしゃるんでしょうね。

 電子書籍になって最後の謝辞が省略されましたけれど、デビルマンや仮面ライダーやポピュラスの作者さん方に感謝していない訳では全くありませんので悪しからず。そして、当時『想師』を試読して下さったネット上の皆様にも改めてお礼を……って、『想師』の段にも書いてましたな。まあ、いいんですよ、何度だって。

 当時、これを出版する時点で既に学研との関わりは切れることが決まっていた。売れることの期待されていない出版であった訳だ。ハードカバーの続編が新書という不統一さに私はいえ何でもありません。それでも出版されようがされまいが3は書くつもりで、2にもその伏線を入れておいたし2005〜2006年に自分で勝手に書いて寝かせていた。という訳で今回ちゃんと3が日の目を見ることになったのは喜ばし以下略。

 

『原点』

 やっとカイストの二つ目を掲載するに至った訳だが、カイストの世界観をまだ周知していない段階でのこの短編は、読者にとってはまだ難解ではないかと思う。これから新しいエピソードをどんどん追加すべく頑張ります。

 Aクラスは神の領域だが、本当に一般人が勝つチャンスはないのか、ということからカイエンス・パラドックスが生まれた。それを説明するためと、カイストの原点を語るためのエピソードだ。

 戦闘自体は非常に地味だが、Aクラスにも色々いるから派手なのは別のエピソードが担当してくれるだろう。

 ちなみに検証士は、過去の出来事の記録をコレクションするのが好きな変態達で、彼らの一部のグループは協力し合って膨大な歴史書を作っている。現在の出来事を知るのが好きな変態は探知士と呼ばれる。

 そういうことも、他のエピソードで補完していきたい。

 『アクター』ギノスクラーレはいずれ、もう一人の『フェイカー』との虚々実々のえげつない対決に登場してもらうつもりだ。

 追記:そういえば、ディンゴが最初にギノスクラーレとナラク・ショーゼンが無関係であることを確認した意味はご理解頂けているであろうか。この物語を書いていて、恐ろしい可能性に気づいたのだ。カイエンス・パラドックスの隙を利用してリギスを倒すために、全てギノスクラーレが仕込んだという可能性。わざわざ一般人を殺させておいて、その復讐に立った若者に、ナラク・ショーゼンという男に化けて善意の助太刀を申し出る。カイストの力は真実の積み上げであるため、嘘をつくことは基本的に許されない。特に、意図的な嘘をついた場合、そのままカイストを脱落する危険もある。しかし、嘘が自分のスタイルであるギノスクラーレのようなカイストも稀に存在するのだ。そういう可能性を排除するためにディンゴは尋ね、余計な情報であったためハルーランには説明しなかった。これはまたギノスクラーレのことなどの情報が読者に殆ど与えられていないため、推測の難しい話であったと思う。

 

『キューピッド』

 キューピッドが人を射殺(いころ)したら面白いかもなと思ったのがきっかけだったと思う。

 ついでに『邪悪だけど優しい男(ひと)』の主人公であるネフィルクサンザ・アークテム・レスハイドの番外編扱いとしてみた。こちらの方はまだ書き出せていない。また、彼は近いうちに別の短編にも出てもらう予定だ。

 この『魔王』のキャラクターとしては、人生に飽きて飽きて疲れちゃってるけれど依頼の間だけ生き生きしてる、でも意地の悪いサディストで、手段を『悪い意味で』選ぶ怪物、というのを描きたかったものだ。だが、書いてみるとどうも……エピソード自体のせいなのか何なのか、非常に苦労した。もったいぶりばかりで面白くないような感じで。出来るだけ努力はしたが、どうなんだろう。

 彼は『陰を往く人』シリーズの楡誠に似ているけれど、同一人物なのか関係者なのか、パラレルワールドの同じ人なのか、私にもよく分からない。でもこっちの方が性格は悪いな。

 

『お父さん』

 元は古く一場面だけのアイデアとしてメモしていたもので、ゲームしているいじめっ子の部屋の窓をノックして、「もしもーし。お母さんなら殺したよ」とニヤニヤして言ういじめられっ子の父親という図だ。何か短編を、というキリックの編集さんの依頼で、『スイート・スーサイド・ナイト』と同時期に書いてみたもの。

 実際に書いてみると自分でもはらわたが煮えくり返る憎らしさで、展開自体は単純だけれど気に入っている。いじめっ子の視点というのも意味があったようだ。

 さて、この作品が実際のところ、いじめの抑止力になってくれるかというと、おそらくならないだろう。人間の図太さ・棚上げ能力は凄まじい。

 

『想師III〜創世二人羽織〜』

 ええっと、そういえばIIのサブタイトルは元々〜善と悪の定義〜だったのですが、学研の編集さんとのせめぎ合いの末、私がプチッと来て「なら悪魔の闇鍋なんかどうです」と送ったところ、「いいですね。それでいきましょう」と決まってしまった代物でした。

 今回のサブタイトルは書いてる間は〜虚実流転〜でしたが、キリックの編集さんと相談して悩みに悩んだ末、再びあっちの方に飛んでしまいました。〜夢に棲む神〜なんか割と洒落てると思ったんですけれどねえ。さて、物語のどの辺がどう二人羽織かと言われますと、私にも分か中略読者の皆さんにお任せしますね。

 2を書いていた時点からなんとなく予想していた流れで、そのため2でパウロ神父がそれっぽいことを言っている。ゲール・ブライトが最後の敵になることは2を書いている途中で感じ始めていたと思う。私の書いてきた悪役の中では、かなーりいやらしい敵になったのではないかという気がする。幽螺屍奇は好きなキャラだが、彼とゲール・ブライトは対になっていて、2から続く仁義なき駆け引きは書いていて楽しかった。

 物語の最後にストレートに提示しているが、今回のテーマはこれまで私の小説を読んで下さった皆様には慣れ親しんでしまったものだと思う。即ち、「これが夢でないことを証明するのは不可能」ということだ。私はずっとその恐怖につきまとわれているし、相手の言動が予想の範囲であればあるほど、益々それを疑うだろう。誰かに私の予想を飛び越えて私の頭をペシコーンとぶっ叩いて欲しいのだが、実際に叩かれたら私は怒って「何すんじゃこらっ」と殴り返してしまうかも知れない。というかここにこれを書いてしまった時点で、誰かがその通りにしたところで私の予想の範囲ということになってしまい、つまりもう私の人生は終わいえ何でもないです。

 これで『想師』のシリーズは完結となる。最後の草薙の疑問を解決するためにも倉沢永次の視点で続編を書いておくべきかとも思っていたが、書くことはおそらくないだろう。彼の視点は無機的だが単純で、複雑な陰謀に最後まで気づかぬまま力押しであっさり解決のハッピーエンドというものを考えていた。

 はてさてそういう細かいことは置いといて、学習研究社より『想師』が出版されて八年半、『想師2』より七年。長い間続編を待って下さった皆様には、改めてお礼申し上げます。お待たせ致しました。待っておられなかった皆様には……うああああああああ。

 

『ブラディ・ハイウェイ〜愛の条件反射〜』

 映画『ストリート・オブ・ファイヤー』のような話を書きたいと思ったのです。女が攫われ、元恋人が助けに駆けつける、シンプルな話。その結果がこれです。

 ……。ま、まあ、黒贄さんですから仕方ないですよね。

 黒贄さんの出番はこれで暫くお休みになるかと思います。もし執筆スケジュールがうまく進めば、特殊犯罪対策治安維持室関係のシリーズで登場する機会があるかも知れません。その機会が、来ればいいなあ……。

 

『血の天秤』

 『悪狼魑』を書いた際に死神刑事は継続して登場しても良い気がしたので、オムニバスとして少しずつエピソードを足していこうと思った。それで書いたのが第二話の『熱』だ。ホラー大賞に出して一次落ちだった。

 以降の話もゆっくりやっていくつもりだったが、今回キリックの編集さんの提案もあり、連作短編として出版することになった。よって、第三話以降とそれ以前では書いた時期が異なっている。

 シリーズの共通点は、普通の警察が様々な都合でやらないことを、警察というものの本筋に立って主人公は手段を選ばずにやっちゃうということだ。こういうテーマの話は世に溢れているが、この主人公の冷徹ぶりは際立っているのではないかと思う。『悪狼魑』で主人公の容姿に全く触れておらず、ならばいっそのこととああいうオチになった。第三話、第四話、第六話辺りにちょっとした伏線があったりする。また、キャラの薄さを編集さんに指摘されたため天秤と瞳孔の特徴づけがなされた。

 第二話は、集団が狂った描写をしたかったのだと思う。

 第三話は、特異体質の暗殺者を描きたかったもの。主人公と関わる前に暗殺者にはもっと活躍させたかったのだが、展開の都合で順序が逆になっている。

 第四話は、『呪怨』などを観て思いついたのが元。お偉い霊能者達や決死の覚悟の者達が祟り屋敷をやっつけようとするのだが歯が立たない。しかし全く関係ない霊感ゼロの人があっさり片づけてしまうというアイデアだった。あの少年が出てきますが、住職さんも……。

 第五話は、カルトとテロ、と、人の命より自分の保身を優先する人。オウムの名を出したことについては不謹慎かとも思ったが、避けて通れない歴史上の事件だと思う。

 第六話は、締めのエピソードなのでどす黒い悪とちょっと派手な戦闘を描きたかった。このシリーズは主人公は過激なことをやっているがアクションは殆どなかったので。

 続編を書くことは多分ないと思うが、新しいエピソードを思いつけば書いてみてもいいのかも知れない。

 

『ニートテロ』

 これを書いてから暫くして、気づいたのだ。今回はネットという特殊性で何か変わるかと思ったのだけれど、この構造って、結局は学生運動と殆ど同じではないかと。

 彼らの自己陶酔ぶりと実力行使に対して社会は冷ややかで、彼らは「どうして大衆は分からない」と焦り、怒りながらも結局はただのテロリストとして追い詰められていくという。

 ただ、現実にはこんなことにはならないと思う。引き篭もりは家から出られず、ニートは自分の安楽な生活があるうちはわざわざ命をかけようとは思わずネットで他人を批判して楽しむだけで、もし万が一始まったとしても政府はうまくやり、あっという間に芽を潰すだろう。

 ならばどうすべきなのかというと、やっぱり私には分からない。

 楽観主義者ならこういう閉塞状況に風穴を開けてくれるのだろうか。

 

『陰を往く人III〜怪物のアイデンティティー〜』

 当初の予定は、マルキとの和解と怪物退治、しかし退治した筈の災厄を知らずに持ち帰ってしまい大混乱、という感じだった。それが微妙にずれていってこんな感じになった。中盤は中だるみで、終盤は怒涛という感じだ。

 副題はなかなか正式に決まらず、結局最後まで書いてしまってから思いついたようだ。須能神一の能力とグールズ・カンパニーの性質も書きながら修整されていったため整合性をつけるために苦労している。340グラムのままの筈が、なくなってしまうことに。『破滅の夜』の第七夜がここで使われることになるとはなあ。そして、この物語の結末も変わることになった。

 最終章の意識だけ残して首から下を操られる展開は、『殺人鬼探偵V』で描けなかったものをここで使うことに。

 七行の会話文で表現されるラブシーンについては……ま、まあ、こんなのもありですよね。ね。ライトノベルでラブシーンというのはおそらく読者の期待感を維持させるために御法度なのだろうけれど、登場人物にも時間がないので敢えて避けるのも理不尽だと思い。日暮の方の顛末は、私も知りませんが。

 マルキのナンバーワン、朧幽玄についてはちょっと気に入っている。細かく描写する必要もないしいえ何でもないです。しかし次で出る機会があるかどうかは不明。

 『陰を往く人』は次作でひとまず完結となる。敵の性質と最後の展開はほぼイメージ出来ているが途中の展開と作中の時期についてはまだ固まっていない。一、二年以内には書いて上げたいところです。

 

『骸骨騎士』

 骸骨騎士団の名称の元ネタはこれです。これの筈……だと思ってたんですが、設定ファイルと執筆時期を見るとなんか『殺人鬼探偵』の方が早いな……。あれええ。

 キルマのローンファイター的なエピソードを書こうと思ったのだが、流れ的に大戦争になってしまったという。フリーゾーンだとこうなっちゃうんですな。『想師』がムー伝奇ノベル大賞で優秀賞を貰った当時、ソノラマ大賞に出していたこちらも最終選考まで残っていたのだが、そこで落とされた。文体が淡々とし過ぎとか世界を感じさせる描写が足りないとか寸評された気がするが、取り敢えず、こうしてカイストの設定を詰める時間が得られたので結果的には良かったのだろう。ちなみに最終選考の通知の時、私は不在で留守録になっていたのだが、留守録の応答自声文句を「はい」としか入れてなかったため、相手は私がいるものと勘違いして「もしもし。もしもし。もしもーし?」という不審げなメッセージが残っていた。

 十年を経ていよいよ書き直しになった訳だが、色々な要素が加わって情報過多の高密度作品となっている。空間座標確保に加速歩行、相対化現象(強念曲理)、エトナ締め、圧縮音声、不在の在、屈葬、カイスト・チャートなどなど。また、百三十八万年前のエピソードとして書いた別長編の『流砂』は、作品としてのクオリティに難があると判断してこちら側に回想シーンとして組み込むこととなった。ダブル・ツェンクの出番も減ってしまい悲しいが仕方がない。『サドマゾ』ディクテール、ダブル・ツェンク、フィロスなどはまた別のエピソードに登場することになると思う。

 書き直しで皇帝は破滅主義者となり、イスメニアスは大変な変態になってしまった。フィロスの格を下げないために相当なハンデを与えているが、一歩も動いちゃ駄目とはこりゃハンデ与え過ぎだろ。

 ……あれっ。ヘズゲイルって、意外に紳士じゃないか。

 入れ損なった場面もある。ラ・テロッサ防衛に残された山賊部隊が、殲滅のために派遣された数人のカイストにどうやって対抗したかという話。これはキルマ捕縛とフィロス来訪が重なっているため派遣出来なかった。また、エピローグにルナンの後日譚を加えるかどうか。これは迷ったが、蛇足だと思ったので結局書かなかった。

 カイストとしての多くの職名が登場している。「師」ではなく「士」で統一した。他にも色々あるし、強化士と科学士の違いなどもいずれ説明したいのだが、出来れば作品の中でやりたいので次の機会をお待ち下さい。

 それにしても、なあ。カイストの原型を思いついて約二十年。やっとここまで来た。短編はちょこちょこと書いていけそうだが、次の長編を書けるのはいつのことやらだ。

 それでも、書きたかった物語達を、生きている間にきちんと書いておきたいものだ。

 っと、当時、古いバージョンを試読して下さった皆様には、改めてお礼申し上げます。随分時間が経ってしまいましたが、公開です。

 

『死にたがる肉体』

 なんかメチャクチャに死にまくる話が書いてみたくなったもの。元ネタとしては書いてある通り映画『ファイナル・デスティネーション』シリーズや残酷アニメ『ハッピー・ツリー・フレンズ』となるのだろう。

 アイデアの段階では面白かったのだが、実際に書き出してみたら自分でもどうも、精神的な疲弊というか、マンネリズムというか、わざわざ書くほどのことなのか、という感じもしてきたのだった。それでも書き直しでなんとか後半は持ち直したかな。

 こっち方面の作風は多分この辺りが最後になるのだろうと感じている。

 脳味噌が腐る前にカイストに注力したい。

 

『マイホーム』

 今はスカイリムにハマッているため落ち着いてきているが、アジト熱に狂っていた頃に思いついたもの。

 所詮永遠などないと割り切るしかないのだけれど、割り切れない。という訳で私の末路はきっとこれだなと思った。

 今はとにかく荷物を減らすことで、何処にでも住めるぞという方向に安心しようとしている。そしてその先は、自分の死んだ時を考えながら更に荷物を整理することになるのだろうな。

 これが人生だ!

 

『挑む者』

 『骸骨騎士』のあれから。『八つ裂き王』フィロスに対する読者のイメージがちょっと変わってしまったかも知れない。でも基本は無差別殺戮者です。

 フィロス視点のエピソードはもう一つ予定しているのだが、そちらもまたイメージが崩れる話になりそう。

 それにしても八年かかったのか。びっくりだ。最初の執筆順は『原点』『挑む者』『百億年戦争』と連続している。あれから色々と設定も詰められて、やっぱり時間をかけられるというのはメリットだな。その分失うものもあるのだろうが。

 護包士という名称については微妙に迷いもあるのだが、これ以上にしっくり来るものがなかった。どういうことをしているカイストかは『旅人』のエピソードで紹介することになりそう。

 

『百億年戦争』

 旧題は『エトナの轍』。警句は「エトナの轍を踏むなかれ」なので半端に切れたタイトルはおかしいと判断した。『骸骨騎士』では最初「百億年以上かかった」と書いていたが、参加者達もきちんとした区切りで終わらせたいだろうと思い、百億周年記念日に終結することに。しかし数時間オーバーしているので、「以上」でも問題はない。よね。

 最古に近いイベントで、長期間過ぎるのでこのような説明ばかりの話になっている。読者にとっては何じゃこりゃと感じるかも知れない。作者としては割と面白かったりする。名前が出てきた大物達の殆どはいずれ登場することになる。いつになることやら、だが。

 色技士はぶっちゃければ性技士な訳だが、あまりにあからさま過ぎるため名称はぼかしている。というかぼかせてないか。色んな欲望を究極まで追求するのがカイストであるので、こういうタイプもいる。女性色技士の方も究極がいるが、登場はまだ先だろう。更に両性とか無性とか、いる筈だよな……。

 さて、次は『彼』の話である『旅人』に移りたい。その連作短編で四千世界の色々をまた補足出来るのではないかと思っている。その後は『無限牢』かなあ。

 

『ファウル』

 テーマは支配と抵抗。それと、自分の意志は本当に自分の意志なのかといういつもの奴。

 なんかこれまでも似たようなことは書いてきた気がするなあ。『想師2』でもちょっとやったし。

 正しいことと信じて戦っていたつもりが実際には誰かの駒でしかなかったというパターンは多いが、それに対し、ならば駒の身で何もかもぶち壊してやろうという。

 しかし、本当にそれが可能かどうかは分からない。

 

『実験地区13』

 殺人の許された町で、跳梁する殺人鬼とそれを追うハンターという図が出発点で、これ自体は実現している訳だが、本来はもっと色々な殺人鬼とのキリキリとした対決が予定されていた気がする。異常な世界を凡人の目から伝えるため主人公の完全一人称にしたことが、一番の原因なのだろう。それが間違っていたかというとそうは思わないが、色々な点で非常に苦労することになってしまった。

 屋根を這う夜蜘蛛とメカニック、出張肉屋は最初からイメージしていた。出張肉屋はボンデージっぽい派手な格好で、高い声で歌いながらチェーンソー振り回してたけど。出張肉屋との戦いは本当は主人公がハンターになりたくて志願する予定だったのだが、どうもヒロインとの関係と地区内の生活具合が微妙に違ってきたので、望まずに追いやられることになった。マスター・カタナとはクライマックスで対決するつもりだったのだけれど、彼のプライドの高さを考えるとビーベックに粛清される方が妥当だろうと判断。その分、大炎上が残っている。

 不生美水流・通称サトリについては、肉体的には常人だが究極の殺人鬼を描きたいと思っていて、その理由の一つは、殺人動機が後づけされてしまったレクター博士への失望だったりする。しかしサトリも人間の理解の外にある殺人鬼ではなく、あの場所に終着することとなった。それが失敗だったとも思わないが、私はまた改めて別の究極の殺人鬼を求めることになってしまうのかも知れない。エピローグ、本来は彼女の眼球と義足だけでなくエド・ゲイン的な人体ツールが並ぶ予定だったのだが、ちょっと、作者の精神が持たず……。

 近未来のため幾つか未来ツールが登場している。タミネはまあ、スマホの延長だが、生体埋め込みチップのイードと、それを使った個人認証なんかはいかにもありそうだ。そして問題になりそうだ。防弾チョッキはかなり進歩している、ことになっている。振動剣とか単分子ワイヤーブレードとか、実際の有効性はどうなんでしょうね。UWBの先端にどの程度の錘(おもり)をつけるべきかは迷った。あまり大きなものだと刺せなくなるし、でもあまり小さいと斬れないだろうし。

 エピローグの最後、不死身の殺人鬼が加入することになるのだが、当初の予定では別の人になる筈だった。でも執筆時期の関係と、あっちの方の結末が変わりそうだったので取りやめとなった。これについては詳しく言及するつもりはない。それにしてもこの女殺人鬼、トラブルメーカーになりそうだなあ。

 半年くらいで書き上げるつもりがじりじりじりじりと遅れていき、丁度仕事の方も状況が悪化していてとにかく焦りとイライラを抱えて書いていたと思う。その鬱屈故か、最終章で主人公は暴れ回っているが、これまでヘタレだったのに殺し過ぎだよなあ。……ま、まあ、死ななかったのは運が良かったですねえ、ということで。

 っと、そうだ。ビーベックだ。書き始める前、敵の組織の実態がよく分からなかったのだが、落ち着くところに落ち着いたという気がする。ちなみに「BBEC」や「ビーベック」で検索すると割と見つかったりするのだが、一つの企業などでなくて複数存在するみたいだから別に小説内でこういうのがあってもいいよね。

 ……。いいよね!

 

『陰を往く人IV〜流星雨〜』

 やっと完結。長い時間がかかったが、やっと、完結だ。

 4でシリーズ完結は最初から予定していたが、本来は奈美が死んだ後、真鉤は独り残されるだけだった。『実験地区13』のエピローグに登場して「こんな制度がもっと早く出来ていれば楽だったのに」と笑顔で語る筈だったのは真鉤だ。しかし三百四十グラムさえもなくなってしまった須能神一のお陰で、体がなくても存在出来るじゃないか、ということに。須能は最終章でやっと再登場して大した活躍もしていないのだけれど、結果的には大した活躍をしてくれたことになる。

 謎の二人組殺人鬼、プロローグのカップル失踪、そして流星雨→天狗、などの要素が絡み合って結果的にこういう展開が構築された。天海は何でも屋になる筈だったのに、完全にマルキ側に。というか天海は持ち上げられ過ぎ、ご都合主義過ぎだとも思うが、彼がリーダーで有能な手駒を持ったら凄いことになるだろうなとは以前から思っていた。

 第三章、第四章、第五章の連戦は読んでてくたびれると思う。なんか文章がくどくなってきた気が自分でもしている。今回は三人称のふりをした一人称が多かったのも一因だろう。人物の思考の描写。正体を隠した学園ものならこれがあるよな、というのが敵の学園襲撃による正体判明だ。後で吸血鬼がフォローしてくれたが。

 真鉤夭はレベルアップせずにこれまでのまま隠形が得意な不死身の殺人鬼でいて欲しかったのだが、ちょっと敵が強過ぎた。その世界のずれ関係で朧の再登場にもなったし、あ、とするとこれが天海出世の原因にもなっているんだな。

 流星雨の余韻とか、トド達を皆殺しにした後失踪事件が結局減ったのかなども言及したかった。しかし、もう主人公達にはそんなことを考える余裕はなかったのだった。

 そんなこんなで色々と思うところはあるのだが、とにかく、完結だ。ひっそりと生きる殺人鬼がテーマだったものが、ええっと、まあ、とにかく読者の皆様ありがとうございました。

 後日譚というか十年以上後のエピソードが頭にあったりする。何でも屋(結果的に兼業)の天海が復讐の依頼を受ける話なのだが、書く暇がこの先あるのかどうか、分からない。時間がどんどん減っていくなあ。

 あ、そういえば、天海の読みは「てんかい」です。天海僧正もそうだけれど、私的な元ネタは『熱笑!!花沢高校』のラスボス、天海君主だったりする。名前だけだが。……あれっ、今検索して確認したら天界君主だった。な、なんてこった……。

 

『借時百万年』

 土壇場での覚醒だの都合の良い話にうんざりすることがある。力のない者が今目の前にいる強敵に勝たねばならない場合、どうやって解決するのが『正しい』のか。これが一つの答えだ。

 しかし物語としては、借りを返すために百万年かけて延々と延々と延々と延々と地味に修行し続ける描写などは好まれる筈がない。そんなもんだ。

 やれそうだったので会話だけという珍しい形にしている。そしておっさんはしゃぎ過ぎ。「ww」という「(笑)」のような表現を使うべきか悩んだが、やっぱりやめた。その代わりおっさんが裸踊りを始めた。

 

『美しい人』

 ダリオ・アルジェント監督などが得意とするジャーロというジャンルがあって、本格推理とは程遠くトリックは単純で、穴だらけ突っ込みどころだらけなのだけれど残酷描写が過剰で独特の美しさがあるミステリーだ。私も一つくらい書いてみたいなあ、私がミステリーを書くならこのジャンルだよなあと思っていた。

 で、本当に単純なトリックだ。しかしクライマックスまで犯人が判明しないため登場人物達が満遍なくそこそこに描写され、犯人の描写としては物足りないと思う。という訳でヒロインが本当に主人公として頑張っている。

 それにしても私はミキサー好きだよなあ……。ちなみにライブ会場はドーンと落とし穴にするつもりが、下に開いた床蓋が五メートルの深さの穴につっかえてしまうので、床がそのまま沈み込む方式とした。あのスペースに二千人も入るかって。満員電車よりはましじゃないでしょうか、多分。断末魔の「ルッキョキルッキョンあああああ」と、肉片が跳ね回って霧状になるところは気に入っている。関石がボルトクリッパーくらい持ってきてるだろうと考えてたのが計算違いでちょっとぎりぎりだったよう。それから輪切り装置の電源は描写してないけど多分バッテリーで動いてます。

 彼が生き延びるかどうか、最初は死ぬ予定だったのだけれど、あのエピローグの前半を想定すると、生きていた方がいい訳だ。ということで、うん、生きてて問題ないな。

 アイドルマスターのコミックを買うかゲームをやるかアニメを見るかして勉強したかったのだけれど、なんかそれらしいコミックが絶版になっていて手を出し損ねた。もしアイドルマスターで勉強しても、現実の芸能界とはかけ離れているんだろうなあ、と思ったり。と、ならば私の小説で描く芸能界だって現実と乖離してていいじゃないかと開き直ったのだった。

 えっ、枕営業は普通にあるって。なななななんのことかな……。

 

 

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