2000年のクリスマス

 

 サンタさんはぜったいいるんだ。

 クラスのみんなはいないって言ったけど、ぼくはしんじない。だってきょねんのクリスマスも、サンタさんはプレゼントをおいていってくれたもの。くつ下の中に、ほしかったゲームソフトが入ってた。

「ねえ、サンタさんはぼくのところにも、ぜったいきてくれるよね」

 ぼくがきいたらお父さんは、にっこりとわらってうなずいたよ。

「ああ、ぜったいにくるさ。だけどサンタさんはおまえがねむってるあいだにくるんだから、はやくねなさい」

 だからぼくはへやのでんきをオレンジにして、いそいでおふとんに入って目をつぶった。

 ああ、ことしのプレゼントはなんだろう。それをかんがえるとドキドキして、なかなかねむれない。おきてたらサンタさんはきてくれないんだ。そうおもったらますますねむれなくなってしまう。

 どのくらいじかんがたったんだろう。お父さんとお母さんはまだおきてるみたいで、となりのへやからテレビの音がきこえてた。

「な、なんだねきみはっ」

 いきなりお父さんの大きなこえがきこえてきた。そのあとすぐに、すごいひめいになった。

「た、たすけて、おねがい。おかねなら出すからいのちだけは……」

 お母さんのこえがきこえた。なんだかないてるみたいだった。またひめいがきこえた。お母さんのひめいなんだろうか。

 となりのへやがしずかになった。なんだかゴソゴソと、だれかが戸だなをあさってるみたいな音がしていた。

 なんだろう。ぼくはおふとんからかおを出して、じっとようすをうかがっていた。

 キィィィィ、と、ぼくのへやのドアがあいて、光がさしこんできた。

 へんなかっこうをした人が、そこに立っていた。

 その人は大きなふくろをせおっていて、中ににもつが入ってるみたいでデコボコしていた。その人はまっかなふくをきていた。なんだかふくからあかい水がポタポタとおちてた。

「サンタさんですか」

 ワクワクしながら、ぼくはきいてみた。クリスマスの夜に、まっかなふくでふくろをせおってるんだから、サンタさんにちがいない。

「そうだよ」

 サンタさんはこたえてくれた。サンタさんはぼうしとおひげのかわりに、あたまからすっぽりとスキーのマスクをかぶってた。

「プレゼントをあげるから、こっちにおいで」

 サンタさんがぼくに手まねきした。その右手でほそながいものがキラリと光った。サンタさんってほうちょうもってたっけ。

「わーい」

 ぼくはおふとんをとびだして、サンタさんにむかってはしった。サンタさんが右うでをふりあげた。

 

 

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